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「人に心酔しすぎると自由を奪われる」スナフキン名言も飛び出す脱獄5秒前/『女囚セブン』第六話レビュー

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大事なことはスナフキンが教えてくれた

「あんたはんは、高見沢先生に心酔してはって、その高見沢先生は内藤法務大臣に心酔してはるということどすな? その心酔先が間違ってることはおへんか? “人に心酔しすぎるということは、自由を奪われること”やと、スナフキンも言うてますけど?」って、まさかここで、森の妖精の物語「ムーミン」の登場人物スナフキンが飛び出してくるとは! スナフキンの名言を引用したあとは、「あんたはんに聞いてほしい話があるんどす」と、スタンバっていたうめ(木野花)にバトンタッチ。

うめは、自分が内藤に家族を人質にとられて卑怯な行いを強制されていたことを明かし、続いて琴音も「内藤は自分の罪を隠すために、仲間を平気で殺した鬼どす。腹の中は真っ黒どす。高見沢先生も腹黒鬼の仲間と違いますか?」と諭しますが、ヅカは「バカバカしい!」と取り合いません。さらに琴音が、内藤と高見沢はただならぬ仲じゃないはずだと詰め寄ると「先生を愚弄するなっ!」と激昂するヅカ、そうやすやすと洗脳は解けません。「だとすれば、高見沢先生が内藤に騙されてるんやと思います。あんたはんが目を覚まさせてあげて」の琴音の言葉も「大きなお世話だ!」と立ち去ります。琴音の言いう通り、いや、スナフキンの言う通り心酔しすぎるって怖いですねぇ。

後日、またまた面会にきた高見沢。内藤が総理、自分は法務大臣になりそうだと報告され「司は法務大臣秘書官ね♪」の言葉に嬉しそうなヅカですが、琴音の言葉が脳裏をよぎります。ヅカは「“崇高な目的のためには、犠牲も手段も選ばないという卑怯な考え”も、時には必要なんじゃないかって思うようになったんです」と高見沢に話します。これは、高見沢は昔と変わらず「卑怯な考えは永遠に放棄する」という信念を持っているはずだと信じているからこそ試したのです。しかし、高見沢から返ってきた言葉は、「私も同じことを考えていたの! 大きな理想を叶えるためには、小さな犠牲はやむを得ないって。一心同体ね。内藤先生も、そうおっしゃってたわ」。琴音の言っていた「色事に溺れて、善悪の見境なくなって、崇高な目的はどこへやら?」の状態になっていることを目の当たりにし、ヅカは心が砕かれ、洗脳から目覚めるのでした。

共同室に戻ったヅカは、高見沢とともに作った20提言が示されたノートを破りながら女囚メンバーに土下座をします。ヅカのパロール審査中、みんながお酒とケーキを用意して誕生日サプライズをしてくれたのに、「懲罰になったらどうするんだよ! 足を引っ張るな」「これだから馬鹿はイヤなんだよ」「お前らとは住む世界が違う」だの散々な暴言を吐いていたことを反省し「申し訳ない。馬鹿だったの私の方だ」と泣きながら謝罪します。

今回はヅカの洗脳が解ける時間を要しましたが、ここで琴音のアメを与えるお時間です。「悪いのはあんたはんやない。腐敗臭のする綺麗ごとを並べ立てて、あんたはんに偽証させて塀の中に閉じ込めた政治家どす」。心酔から目覚めたヅカに、「あんたはんは、ここを出てあいつらの手先のフリしてくれたらよろしおす」「ほんまに崇高な目的のために、ともに戦っておくれやす」と手を握り合って、ようやく女囚メンバーをコンプリート!

琴音は、自分を冤罪で刑務所に押し込めたのは内藤法務大臣だということを女囚メンバーに告げます。そうでした、今まで百目鬼に指示されるままに琴音を陥れようとしていただけで、うめとヅカ以外は内藤が悪党だとは知らないままでした。真実を聞き理解はしたものの、話がデカすぎてついていけない6人に琴音が口を開きます。「うちに考えがあります……脱獄、どす」。えっ! 隠しカメラで常時見張られている中、脱獄を試みるなんて……いや、できる! 琴音ならできる!

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