なんてキレイなお花かしら……いやいや違います。ヴァギナ、まんこですよ! まんこの形をしたペンダントなんです。作者は、イギリス在住のジュエリー・デザイナーのエミリー・フィッツラルドさん。
作品名は「ヨニペンダント」(※「ヨニ」とは、古代インド・アーリア語に属する言語であるサンスクリット語で「女性器」)。こちらが1番最初に、自身のInstagramにアップした作品(おそらく昨年10月頃)。

中には目が! まんこに見られています。
エミリー・フィッツジェラルドInstagramより
「あなたのヨニは素敵」と全女性に伝えたい気持ちから公開したそうです。ここでエミリー、嬉しい誤算! 投稿後に多くの「いいね!」を頂戴し(現在は5800件を超えています)、購入希望者が大量発生! Webショップのみで販売しているためショップのサーバーはダウン、いまでは入手困難となるほどの人気商品のようです。

レインボーの「ヨニネックレス」も可愛い!
エミリー・フィッツジェラルドInstagramより
壁には400名のヴァギナ
過去には、イギリスの男性アーティスト、ジェイミ・マッカートニーもヴァギナをテーマにした作品を製作し、展示会を開催しました。20カ国・18歳から76歳の女性まで計400名の協力を得て作成した作品「The Great Wall of Vagina」のコンセプトは「ヴァギナはそれぞれに異なり、その違いこそが美しい」。

作品タイトル:「70 WOMAN」
「THE GREAT WALL OF VAGINA」
より
多くの女性が自身のヴァギナの見ためについて悩んでいることを知ったジェイミは、アーティストだからこそこの女性の抱く問題について何かできるのではないか、と製作に取り組みました。ずっと眺めていると「みんなちがって、みんないい」(by金子みすず)と思えます。
日本では「わいせつ罪」
海外では、まんこモチーフも「神秘的なアート」だといわれるのに、日本ではわいせつ罪で引っかかることもあるんですよね。このヴァギナアートを見て、ろくでなし子さんの作品を連想せずにはいられませんでした。

「マンボート」乗りたい。
ろくでなし子Twitterより

「デコまん」ほら、真ん中注目!
ろくでなし子オフィシャルサイトより
漫画家で日本性器のアート協会会員のろくでなし子さんは、自身のヴァギナをかたどった「デコまん」を精力的に制作し、2014年には3Dスキャナーを使用して「マンボート」をつくり多摩川を漕ぎました。海外のメディアでは“芸術品”として紹介され、話題になったアートボートです。
しかし同年、ろくでなし子さんは「女性器をかたどった作品を陳列、女性器を3Dスキャンしたデータを送信・CD-Rに焼いたデータを郵送したとして、わいせつ物頒布などの罪」で逮捕されました。アートかわいせつかを争い、先月5月9日の一審判決では「女性器をかたどった作品は無罪」「3Dデータ配布は有罪」の一部無罪となっています。5月13日には一審判決と同様、一部を無罪とした上で罰金40万円を言い渡されましたが、女性器をかたどった作品が無罪だった理由が「性器には見えないから」だと聞いたろくでなし子さんは「女性器っぽいからわいせつ、観念から逃れられていない」と即日上告しています。
「エロパーツ」か 「体の一部」か
ろくでなし子さんが日本の法廷で戦っている中、「マンボート」はドイツの美術館で展示、「デコまん」をはじめとしたグッズはサンフランシスコのギャラリーで展示されています。海外と日本では「アート」の捉え方がこんなにも違うのか、と思い知らされます。というか日本の司法は引っ込みがつかなくなっているだけでは? とも思えてきちゃいますね。
エロ漫画やアダルトビデオなどのように、勃起したちんこやぱっかり開いて充血したまんこのように、性器が「反応」している描写は、私も「エロ」だと思います。しかし平常時のペニス、ヴァギナはただの性器であり、そのものが「エロパーツ」として扱われることには同意できません。そのような扱い方が、ひいては性教育のタブー化をもたらしているのではないでしょうか。
ろくでなし子さんは5月29日、Twitterでこうツイートされています。
<恥は、自分の価値次第で変わる。周りの価値に振り回されずに堂々としてたら「恥」にはならない>