とあるメディアの取材を引き受ける代わりに、愁はキスでもハグでもなく「浅岡さんのプライベートの時間」をおねだり。珍しいものをねだってくるなと思ったら、自分ですら忘れていた誕生日を祝ってくれた愁。それに感動していると、愁は唐突に「好きだよ」「俺と付き合って」と告白してきて……。
浅岡はその一線を超えることはできないと愁をはねのけますが、愁は止まらない。「俺は浅岡さんを抱きたい」といつになく真剣な目で見つめて、強引に浅岡を抱きます。さっさと終わらせようとする浅岡ですが、想像以上に愁とのセックスが気持ちよく、あえなく昇天。仕事関係に恋愛やセックスは持ち込みたくないと思っているのに、それ以降、2人は肌を重ねる関係になってしまいます。
浅岡視点でこの作品を見ると、肉体関係に落ちたマネージャーとタレントという複雑な関係のBLなんですが、愁視点で見ると、実は大好きな浅岡に“男をして”見てもらうために、どんどん人として成長していく物語でもあるんですよね。ある日突然、浅岡は愁のマネージャーを辞めてしまうのですが、置き手紙には「あんたの仕事はチェックしているから」と。だから愁は仕事をサボることができないし、むしろ好きな人に認めてもらうためにより一層仕事に打ち込んでいく。引きこもりだった彼がどんどん男になっていくんですよ~。
この作品のタイトルに“腹黒スター”とありますが、好きな人に認めてもらうために仕事を頑張る愁はむしろ超純粋だな~と思ったり。帯にも“天使の顔をした腹黒スター”という言葉があますが、全体を通してかなり純愛系BLでした!