「売り専」が一体どのような世界なのか、実際に売り専で働くボーイさんに聞くインタビュー。インタビューに応じてくれたいちごう君(22)は異性愛者だけど、男性に挿入する側であるタチとして売り専で働いています。
後編では、彼のタチの部分に注目。アナル開発やアナルセックスなど気になるアナル事情を主に伺ってみました。そして、ノンケでプライベートでは女性とセックスするという彼だからこそ分かる、アナルと膣の挿入感の違いについても聞いてみました。
【前編】「ノンケだけど、タチやっています」ノーマルだった彼がウリ専という世界で見たもの/インタビュー前編
風俗よりも厳しい世界
――いちごう君はバリタチとのことですが、指名で来るお客様はほとんどネコの方なんですか?
いちごう ネコの人が多いですけど、オーラルセックスに関して言えばタチネコ関係なくなるので、タチの人が「バックプレイ(挿入行為)しなくていいから」って来ることはありますね。
――バックプレイって必ずしもすることではないんですね。
いちごう 基本プレイはキス、フェラ、手コキの3つでバックプレイは義務ではないです。指名で来るお客様の半分以下くらいの割合でバックプレイもしている感じです。
――バックプレイをしなくてもボーイに支払われる金額(バック)って変わらないんですか?
いちごう 変わらないですね。この業界は風俗と違ってお客様の人口が少ないので、市場もものすごく狭いんです。だから50人から100人のボーイさんが所属している店になると、少ないお客様の取り合いになるわけですよ。となると、同じ料金で「どこまでできるか」という争いになっていくわけで。
――できることが多いほうが売れると。
いちごう そうですね。言い方が悪いですけど、風俗ならある程度若い嬢なら、待機していればフリー指名(注:指名せず、店側に付く嬢を任せること)なりで仕事が入るじゃないですか。でも売り専の世界って、基本プレイができるから何って世界なんですよね。基本プレイ以外にもバックプレイができるだとか、お客様がMならSになれて、逆にSならMになれるとか、会話していて面白いだとか、一緒にいて緊張感を与えないなど、「また指名したい」と思わせる要素が大事で。それが欠けているボーイさんは、売り上げが出せない世界ですね。そもそも売り専にはフリー指名がなくて、必ずボーイを指名するシステムです。だから、リピーターを取れないと稼げないんです。
――でもいちごう君はノンケだから最初からバックプレイができたってわけじゃないですよね。
いちごう そうですね。バックプレイは入店して数カ月後に始めた感じです。それまではできる気がしなくてプロフィールでも「できません」と表記していました。店によって表記の仕方が若干違うんですが、バックプレイについては「不可」「応相談」「可能だけど体調によっては不可」「いつでも可」みたいな感じでプロフィールに書いてありますね。他にもタチなのか、ウケなのか、そのタチとウケの属性としてSタチなのかMウケなのかって要素も書かれています。もちろんノンケなのか、バイなのか、ゲイなのかってことも。
――細かいですね。
いちごう なかなか細かいでですね。男女だったら男性が女性に挿れるだけなので、言ってしまえばお互いの性癖が噛み合わなくても大きな問題はないんですけど、男性同士の場合は噛み合わないと難しいですよね。