「女は子宮で考える」ーーこんなことをしたり顔で語る男を信用しちゃいけないぜ、お嬢さん。俺は夢子の子宮として何十年も生きたんだ。信用してもらっていい。女は、脳で考える生き物だ。
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よう、また会ったな。子宮だ。前回までに夢子が「子宮とちんぽをジャストミート計画」を立てたものの、まだセックスできていないとこまで語ったよな。セックスに至ってないのにはいろんな理由があるが、その最たるものはこれだ、
なにもアクションを起こしていない!!!
家に引きこもっているだけで異性と出会えると思うか? 自室でぼーっとしているところに知らないイケメンが入ってきてみろ。それは出会いなんかじゃない。ただの強盗だ。
では、ここまでのPDCAをおさらいしてみよう。
Plan(計画):
・男性女性双方の視点から、子宮摘出手術前と後とで性的興奮に違いがあるか検証する
・手術前にセックスする。男性に感覚を覚えていてもらう。自分もどう感じたか覚えておく
・術後、再度同じ男性とセックスする。子宮がなくなったけど感じは変わったか? を男性に聞き、自分の体感も違うかを検証する
Do(実行):
・棚ぼた的に機会がめぐってきたらセックスする。
ついに夢子が、動いた!
だが夢子は、このPlanとDoではセックスできなかった。したがって以下が導きだせる。
Check(評価):
・夢子にかぎっては、棚ぼた的にセックスはできない
・「こんな突拍子もないことできない!」という夢子の自意識が邪魔をして行動できない
そこで改善案、Actの出番だ。
Act(改善)
・自意識を克服するために無意識の領域に働きかける
オレはあくまでも子宮。女は子宮で考えるわけじゃないから思考を司ることはできない。だが夢子の無意識に影響を及ぼすくらいならできる。
ある午前中、夢子はふとパソコンの画面に目をやり、驚いた。インターネットの婚活サイト経由で男性からのメールがぞくぞくと送られてきていたのだ。その数およそ10件。
(私、こんなサイトに登録したっけ……? )