
金子めぐみ事務所HPより
先週『週刊新潮』(新潮社)で報じられた、自民党の衆院議員で総務大臣政務官の金子恵美議員(39)の公用車私用疑惑。金子議員が、自身の職場のひとつでもある議員会館内に併設された認証保育所に子どもを預けていて、その送り迎えに公用車を使っていることを問題視した内容の記事でした。
▼金子恵美議員の「公用車で保育園送迎」問題視と待機児童問題を絡めてはいけない
ちなみに記事では、総務省の公用車に関する担当窓口の「公用車の使用は当然のことながら公務に限定しています。自宅から子どもを乗せる、そんなことはあり得ないですよ。公務ではありませんので。途中の保育園で子どもを降ろす? ないです。家族を乗せること自体ダメでしょう。そんな人、いないと思います」というコメントが掲載されていました。しかし29日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)の取材に対する総務省の回答は、公務の途中経路だから「問題ない」。同じ総務省内でありながら、回答内容が真逆なのも問題だと思いますけど……。
同誌が発売された29日、金子議員は自身のブログにて「総務省の考えでは、『公務を行う場所と保育園が同じ』、『総務省への経路上で家族を乗せている』ため、運用ルール上問題はない」「私的な目的のために、つまり保育所の送り迎えを前提に、公用車を呼び出し使用したというような事実は一切ございません」と説明しています。その一方で「公用車に家族を同乗させてよいのかというご批判に対し、改めて自身の行為を振り返り、真摯に受け止めたいと思います」と記しています。
しかし、今回の事態を重く受け止めたのか、翌30日の閣議後会見で、高市早苗総務大臣は、金子議員が今後、子供の保育園送迎で公用車を使用せずにベビーカーなどで行う意向であることを明かしました。
金子議員の自宅から議員会館&保育園までの距離は約1km。1kmって車だと(混んでいなければ)あっという間ですが、徒歩だと大人一人の足では15分ほどかかる距離です。これを「たいしたことない、15分くらい歩け」と見るか、「別に歩かなくても車でいいのでは」と見るか。確かにたいした距離ではないように思えます。でも、雨の日も灼熱の日も極寒の日も、15分、子どもの乗ったベビーカーを押して保育園用の荷物を抱えて歩くのは、ラクなことではありません。「ラクなことではないのが普通」という考えもわかりますが、そもそも公用車の使用ルールを逸脱していなかったのに、「ラクするな」というだけのことで使用中止しなければならないことは、おかしいのではないでしょうか。まるでこれは、よくあるアレです。「育児は苦労しながらやりなさい」の抑圧です。昔はもっと大変だったのに最近の母親はすぐ音を上げてだらしない……みたいな、便利グッズを使ったら叩かれるみたいな、アレに似ています。
事実、高市早苗総務大臣は、金子議員の保育園送迎での公用車使用はルール違反に該当するものではないと認識しつつも、「働きながら小さなお子さんを育てる、多くの方々の希望となっていただくように、日々のご苦労にも思いをいたしながら職務に精励していただきたい」とコメントしています。苦労にも思いをいたしながら、かあ。その思いをいたしてほしいのは、今まさに育児真っ最中の金子議員よりも、かつて育児を経験した議員、あるいは育児に無関係なスタンスできた議員さんだと私は思うのですが。
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