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玉石混交でヒドい本も多いですが…。セックス本における良書の見極め方!

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本から学ぶことは多い。Photo by Fabio Téllez from Flickr

 ちまたにはセックスについて書かれた本が山のようにあります。なるべく目を通しておきたい派ですが、このジャンルは玉石混交。ごくたま~にスマッシュヒットが生まれて、その時代を生きる人のセックス観、性生活に影響を与えます。21世紀になってからでは宋美玄先生の『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)があり、アダム徳永氏の『スローセックス実践入門―真実の愛を育むために』(講談社)がありました。ある意味、対極にある2冊です。

 昭和の時代にも伝説的な1冊があります。1971年に医師の奈良林祥氏が書いた『How To Sex』。なんと250万部売れたそうです。ダブルミリオン! 時代が違うとはいえ驚愕の数字ですよね。その後、新装版として新書になったものを読みましたが、性に関する基礎知識といい、性やパートナーに対してのふるまいといい、いまでも目からウロコなことが盛りだくさん。その時代その時代に特有な性の悩みがありますが、知っておきたい基本のキはいつの世もそう変わらないのだと気づかされました。影響を受けて性行動を後押しされた読者もきっといるでしょう。1970年代生まれのなかにはこの本のおかげでこの世に生を受けた人もいるかも!

 このように強い影響力を及ぼす本もあれば、箸にも棒にもかからない本があるのはどんなジャンルにもいえることです。毎年何冊も何冊も店頭に並びますが、買ってから「ハズした!」と思うのは避けたいもの。こうした本を手に取る人は何かしら悩んでいること、実現したいこと、求めるものがあるはずですから、それに対するアンサーがなければハズレですよね。

メンタリストが書いたセックス本とは

 ハズレを避けるためには、自分が何を求めているか、その答えをくれそうなのは誰かを見極める必要があります。自身の、またはパートナーの身体や性反応の仕組み、それを引き出すためのテクニックについて正しい知識を得たいなら、著者は医師がいいでしょう。「誰も知らないワザで女性をヒーヒーいわせたい」「スローセックスって最先端らしいぜ!」とミーハー気分でファンタジックな性を求める人には、アダム氏の書かれたものがうってつけ。そこに書いてあるのが正しいかどうかはさておき、「こんなめくるめく世界があるのか!」という束の間の興奮に浸れるでしょう。

 AV女優さん男優さんが書かれたものを「彼ら彼女らは映像として見せるプロであって、セックスの達人ではないのでは」と懐疑的に見る人もいれば、ときにその業界の裏話やプライベートなセックスについての逸話が出てくることから読み物として愉しむ人もいるでしょう。私も後者のように愉しむのは好きです。

 ハウツー本といえどひとつのエンターテイメント。Aさんにとってはクズ本でも、Bさんにとってはプラスに働くことがあるのがセックス本の世界といえるでしょう。読了して「あ~、面白かった」と思えれば、それはアタリです。

 「誰が書いているかに注目すればハズレはない!」と言い切りたいところですが、お恥ずかしいことに私、最近、その点をおろそかにして失敗してしまいました。『ベッドの上の心理学 感じるオトナのための保健体育』(KADOKAWA)の著者は、メンタリストのDaiGo氏。

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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