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愛の経典『カーマスートラ』って何が書いてあるの? ハグは「貫通」キスは「舌戦」セックス体位は「八十八手」

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Photo by Bélica from Flickr

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 かつて工藤静香さんはこう歌いました。

<カーマが語る愛の教科書、読んだことがありますか?>

私が「カーマスートラ」という言葉を知ったのは、工藤静香さんが歌う『カーマスートラの伝説』(ポニーキャニオン/1997年、20年前か……)でした。この曲、作詞も工藤さんご本人(愛絵梨、名義)なんですよね。彼女は20年前に愛の教科書『カーマスートラ』を読み込んだのでしょうか……。

カーマスートラとは?

『カーマスートラ』とは、およそ1700年前に成立したとされている、古代インドの愛の経典(性愛書)です(※サンスクリット語で“カーマ”は愛、“スートラ”は教え)。愛と性について丹念に記されています。

現代のセックスハウツー本のようなもの? いえいえ、それとは違います。『カーマスートラ』は、全735章に渡って書かれているのですが、魅力的な自分を作る方法・男女の出逢い・女性を獲得する方法・女性から男性への愛情表現方法などが大量に記され、実は情欲だけを目的にされたものではなく、愛について重きをおいている経典です。前戯の仕方、腰の動かし方、体位の種類などセックスについて記されているのは、第2部だけなのですよ。

真面目な書物なのに、なんだかシュール

◆人妻狙っていいのか…

書物には、よりよいセックスをすることや、長く愛し合うためには、など男女が夫婦生活をしていく上で必要な知識も多数書かれているのですが……その中には「人妻をゲットするには!」という内容まであるんです。インド的にそれ、アリだったんですね。「人妻とチョメチョメ♪」と企む男性に狙われているだろう、ということで「自分の妻を誘惑から守る方法」と展開していきます。

◆ネーミングが面白い

『カーマスートラ』では男女の性器のサイズや体位など、単純でわかりやすいものから、「なぜそうなった?」というシュールなネーミングがつけられています。たとえば……ちんこサイズは動物で例えられ、小「兎男」中「牛男」大「馬男」の3種類に分けられます。女性の膣の深さは深くなるにつれ「鹿女」「馬女」「象女」と分けられます。う~ん……どれに例えられても複雑ですが。

体位では……女性はプールサイドで腰を浮かせた状態で仰向けに寝ます(男性はプールの中)。男性の肩に両脚を乗せた体位が「崖っぷち」。もうひとつ、女性は立った姿勢から足を延ばしたまま前かがみで手の平を床につけます(キツイ!)。男性が後ろから挿入するバックスタイルは「陽気フロアショー」。「シックスナイン」でお馴染みのお互いに舐め合う行為は、「カラスの性交」だそうです。

四十八手どころじゃないセックス体位

日本では48種類のセックス体位が「四十八手」と呼ばれ定着しています。しかしカーマスートラには、実に88種類ものセックス体位が記されています。

◆基本体位は「座位」

日本では、仰向けの女性に男性が覆いかぶさる「正常位」が基本の体位とされていますが、カーマスートラでは、男性が座っている上に女性が向き合って跨ぐように座る「座位」が基本の体位とされています。男女がゆっくりと愛し合うのに適した体位だと考えられていたから、だそうですが、いいですね、早いピストンこそ気持ちいいセックスだ! と思っている方にお伝えしたい。

『カーマスートラ』では、女性のセックス体位について、騎乗位から正常位への流れを奨励していたり、「女性が男性の役割を演じて攻めるセックス」というテーマもあります。古代インドではすでに女性主導テクの教えまであったんですね。一方で、セックスにおける性役割はその時点ですでに固定化されてしまっていたのか……と感慨深くもあります。

ハグやキスの方法まで

『カーマスートラ』には、抱擁やキスの方法だけでも盛りだくさん。そんな抱擁あり? と思ったのは、いわゆる壁ドンや吉田沙保里さんばりのタックル。

*「圧迫」:相手のカラダを壁や柱に押し付けて強く抱きしめる(まさか壁ドンが古代インドで誕生していたとは!)

*「貫通」:女性が腰をかがめ目の前にいる男性を自分の乳房で突き刺すように強く触れ男性側がその乳房を強く握りしめる(タックルですね……もはや「攻撃」ですよね。勢いつけて走った乳房を握られるとか、激痛だと思う)

キスに関しても、ソフトからハードなものまで紹介されていますが、俗にいうディープキスは「舌戦(ぜっせん)」と名付けられています。舌と舌のガチ勝負だったのですね。

*「めざまし接吻」:男性が夜中に帰宅し、眠っている女性を起こすキス

(女性は、このキスを受けてもすぐに起きず、相手を焦らさないといけないんだとか)。

*「身代わり接吻」:唇以外に行うキス(といっても、頬とか手とかではなく、気になる異性の前で絵画や彫刻にキスをしてみせます……何がしたいんだ、実際にキスしたくなるだろう? みたいな?)

個人的には、ディープキスは戦いというよりは、共同作業として楽しむほうが好きです。舌でこじあけられるのも、固く尖らせた舌で押し入られるのも、ちょっと勘弁願いたいですね。

ベロチューは舌先の力を抜けば、気持ちいい! レロレロ・グリグリ掻き回されると「気持ち悪い…」

大根 蘭

365日中365日、24時間中およそ8時間ほどエロいことを考えて生きている女でございます。