ディーン・フジオカ(36)が、6月30日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、7月1日放送の『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』(日本テレビ系)と、音楽番組に2日続けて出演し、7月5日発売の1stEP「Permanent Vacation / Unchained Melody」収録の「Unchained Melody」を披露。『THE MUSIC DAY』ではシンガポールからの中継で、青空の下、のびのびと歌い切った。ファンからは「歌を歌ってるディーンさんもめっちゃ格好いい」「おディーンのパフォーマンス本当に素敵でした」など歓喜の声があがっているのだが、その曲と歌声に、熱烈なファン以外の視聴者、そしてライトファン層からは困惑の声が続出している。筆者も戸惑いを覚えた一人だ。
「来年くらいには黒歴史になってそう」
「ラップが全然韻踏んでないしそんな歌も上手くない」
「謎のラップ、ヘドバン、日本語なのに理解できない歌詞すべてパーフェクト」
「ダッサイ歌歌わされてるなぁ~気の毒だな。と思ったら、作詞作曲本人でもう救えない」
「俳優の歌としては下手ではない ただダサイ」
「誰か彼に言ってくれ、歌はやめた方がいいと」
話す時よりも幾分高い歌声、唐突にはじまるラップは全く韻を踏んでおらず、曲調も少し古臭い印象。なのにこの歌を作詞作曲したのがディーン本人であるという衝撃!
ディーンのこの歌声や楽曲センスが世に広く知れ渡ってしまったいま、もう歌は歌わないでほしい……そう切に願っているファンも少なからずいることだろう。一時期、ディーンが大好きな時期があった筆者はそのひとりである。
なんなら今でも顔は大好きだ。そう、ファンなら誰でも知っている。ディーン様は5カ国語が話せるマルチリンガルだけが売りなのではない。ディーン様は映像制作、楽曲制作……なんでも自分でやりたがるマルチプレイヤーでもあるのだ。作詞作曲もこれが初めてではないし、彼の楽曲がダサく、歌声が微妙なことも、知っている。知っているからみんなに見せないで欲しかった。それが世に広まってしまったことを憂いているのである。
たとえば、2007年に千葉県で発生した英国人殺害事件の犯人・市橋達也の2年7カ月にわたる逃亡生活を題材にした映画『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』。ディーンはこの作品に主演するだけでなく監督もつとめたうえ主題歌の作詞作曲と歌唱も担当した。ディーンの役者としての能力、映像の作り手として、楽曲制作者としての能力、そして歌い手としての力量、全てをこの作品で確かめることができる。作品の受け止め方は人それぞれであることは承知の上だが、今回の歌声を聴いた時と同じような黒歴史ぶり、または中二病ぶりをこの映画でも感じることができる。
ディーンが日本で大ブレイクしたのは2015年の朝ドラ『あさが来た』五代友厚役によってであり、この映画はそのブレイク直前に世に出ている。もしこの映画がブレイク後にリリースされていたら、もっと早く彼の歌声の微妙さが世に知れ渡っていたかもしれない。筆者はかつてこの映画を観て、今回と同じく、ディーン作詞作曲による「My Dimension」を聴いて、もう歌はやめてほしい、そう切に願っていた。だが映画公開から4年後の今回、ディーンが地上波で歌ってしまったのである。それも自身の作詞作曲ソングを……。2日も続けて……。悲劇は起きてしまった。
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