
「Global Agenda Turning Points 2015」ハースト婦人画報社
世間の目が松居一代に向いているうちに、どさくさに紛れて会見しちゃおう! 彼にそんな思惑があったかどうかはわからないが……7月15日、俳優の渡辺謙(57)がようやく自身の不倫騒動に対する記者会見を東京都内で行った。
松居騒動があまりに衝撃的すぎて、もはや遥か昔のことのようにも思えてしまう渡辺の不倫発覚だが、彼と大阪・北新地に勤めていた元ホステスとの3年に及ぶ不倫の詳細とツーショットラブラブ写真が「週刊文春」(文藝春秋)に掲載されたのは今年3月のことだった。
しかも渡辺が21歳年下の不倫相手にティファニーの指輪を送ったり、一緒にニューヨークの街を楽しんだりして濃密な関係を築いていた3年間は、妻で女優の南果歩(53)が乳がんを患っていることが発覚し、闘病してきた時期と重なる(さらに南の助言により渡辺も胃がんを早期発見し、摘出手術を受けた)。このため、もし不倫が事実ならば“鬼畜の所業”だとの厳しい声も出ていたが……渡辺は会見で、「文春」報道をおおむね事実だと認めた。
最優先したのは不倫相手との決着
騒動が起きてから渡辺は会見を開くことも、SNSでなにかを発信することもなくひたすらだんまりを貫いた。その様子は、世間が彼に抱いていた<堂々とした><男気のある><世界に誇る役者>というイメージとはあまりにもかけ離れており、ネット上では「なんかがっかりした」「イメージと違う」と渡辺に対する辛辣なコメントが溢れたものだ。
会見当日はダークカラーのスーツに、白いワイシャツ、光沢のあるブルーのネクタイという衣装に身を包んで会見場所に現れた渡辺。十数人の芸能レポーターや記者が渡辺の周囲をぐるりと取り囲む、囲み取材となった。
まず「記事に出ていることはおおむね事実です。本当に私の軽率なふがいないこういった行動が、今までたくさん応援してくださった方々を心配かけてしまったこと、また、僕に仕事を下さった関係各位の皆様にも本当に多大なご迷惑とご心配をおかけしたことをこの場をお借りして、本当に申し訳ないと思っています」と謝罪した渡辺。さらには「何よりも妻にも苦しい、悲しい思いをさせてしまった。謝罪しました。時間をかけながらゆっくりと軌道修正をしているところです」と続けた。
渡辺の謝罪後は芸能レポーターたちから質問が出て、渡辺がそれに答えていく形式になった。不倫相手を好きだったのかと問われると「嫌いな人とはそうらない」と答え、相手は結婚できると思っていたのではないかと問われると「ないです、そういう話もしていないし、僕のほうはそこまでなかった」と弁明。
しかし「週刊文春」では、不倫相手A子さんの親友の話として「ふたりの交際は結婚を見据えた真剣交際」「A子さんは(渡辺から)求婚されていた。謙さんから『(俺の)子供を産んでいいよ』と言われた、と嬉しそうに話していた」などのコメントが掲載されていた。渡辺がこのコメントを真っ向から否定するように「僕のほうはそこまでなかった」と発言しているということは、結婚や出産に対しての話はA子さんの一方的な思い込みだったのか、もしくは渡辺が彼女に多額の慰謝料を支払い、そのような話はなかったことにすることで合意したのか……。いずれにせよ渡辺がここにきてようやく会見を開いたのは、A子さんとの話合いが決着したからだとみられる。そのため今後、彼女が不倫についてなにか喋ることはおそらくもうないだろう。
確かなことは、渡辺がA子さんとの関係を清算し、妻との夫婦関係を再構築しようとしているということだ。妻である南との今後の結婚生活について問われると「僕の方でどうこう言えることではないので、丁寧に時間をかけてやっていくしかない」「まだまだ、時間がかかると思ってますし、彼女の仕事が始まりましたので、そういう中で、時間を見ては話をしていく」「自分で起こしてしまったことに弁解の余地はないので、今後自分が一番出来ることとしては、俳優として何ができるのか、一つ一つの作品の中で生きることしか(南に)恩返しができないと思っているので……」と答えている。
現在、亀裂の入った夫婦関係はまだ修復過程の入り口であり、夫婦は離れて暮らしている。このタイミングでの記者会見となったことについては「僕なりに粛々と準備を進めていた」と語った渡辺。粛々と準備、の中にはA子さんとの話合い、さらに南が出演中で「夫に感謝」のセリフで話題を集めてしまうことになった保険会社のコマーシャルとの兼ね合いなどがあったのではないかと思われる。
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