その人と最初に出会ったのは、とあるラブグッズショップで開かれた「バイブ教室」でした。もう3年ぐらい前のことになりますかね。女性だけを対象にしたこじんまりとした会だったのですが、参加者のひとりとして来てくれたのが彼女。開口一番、「よかったー、本当に存在したんだ!」といわれ、軽く面食らいました。「なんなの、この人?」とも思いました。その発言もどうかと思うし、金髪アフロのズラをかぶっているし……。あやしくない?
その人の名は、ローション博士。日本でもっともローションに詳しく、あちこちで正しい選び方や使い方を啓蒙している、希有な女性です。
まあ、博士がそんなふうに言うのも無理のないことなんですよね。当時の私はブログを中心に活動していて、人前には出たことのない状態。誰か業者がステマとして書いているのではないか、中の人は男なのではないか? という噂もささやかれていたようです。そんなこんなで、初対面の印象はあまりよかったとはいえませんが、今や盟友とも言える関係になりました。だって、バイブとローションって、切っても切れないものですから。
バイブは気持ちよくなるための道具とはいえ、所詮は異物。よ~く濡れていないと、激しい異物感や、ひどい場合は痛みを感じます。男性には「必ずローションを使ってあげて!」と小うるさいほどに訴え、女性にも「ONN(オナニー)の時もローションを使ったほうが、スムーズに挿入できるし、すぐに気持ちよくなれるよ!」と言ってはいたものの、ローションそのものには無頓着でした。当時はネットで一度に10本など大量購入していたので、おまけとしてローションのボトルが段ボールに入ってくることがよくありました。「ラッキ~」と思い、使っていましたが……
「ダメダメ。なんで成分を気にしないの? 自分の粘膜に使うものだよ、もっと気を遣って!」
と、ローション博士にダメ出しをされたんです。え、ダメなの? と訊いた瞬間から始まるローション講義。「そもそもローションの起源はオリーブオイル」「ギリシャ人がアナ○ファックするために使ってたんだよ。濡れない場所を潤滑させるためにね」……というローションの歴史は超絶に面白いのですが、今回は早送りして、なぜ成分を気にしなきゃならないか、というところから聞きましょう。
博士節のはじまりはじまり~
「××とかに代表される日本のローションの大多数は、“ポリアクリル酸ナトリウム”という成分が入ってます。これって、生理用ナプキンや紙オムツにも使われているもので、つまり水分を吸収するものなんです。ほら、コワイでしょ?」
具体的な商品名はこちらで伏せ字にさせてもらいましたが……うーん、わからない。なんでコワいの?
「膣の中までは洗えないでしょ? だからそのローションを完全に流すことは不可能。残ったローションが粘膜から水分を吸って、それを栄養にして雑菌が繁殖して……」
ほんとだ、コワい!! それで炎症を起こしたり、ヘンなにおいがしたり……背筋がぞぞっとします。そういう場合はビデで洗い流して、とアドバイスを受けて胸を撫でおろしましたが。でも、じゃあどんなのを選べばいいの?
「ポリアクリル酸ナトリウムが入っていないっていうのは絶対だけど、あとは用途に合わせて“グリセリンタイプ”か“シリコンタイプ”かで選んでください。グリセリンタイプは、水に溶けやすくて洗い流しやすいから、膣内に入っても心配ないし、すっごくスルスル伸びて気持ちいいから!」
スルスル感、大事! 確かに××は使っている途中でモタッとくるというか、伸びが悪いから、ONNの途中で追加してたもん。でもそれだけ、膣内に残っていたっことでしょ……イヤー!! そんな私に、そのとき手渡されたのが、「ID グライド」。

カリフォルニア発のローションです。「ID GLIDE」
博士イチオシの米国発ローション・ブランド「ID LUBE」のなかでも、オールラウンドなローションです。手の甲に伸ばしてみると、ほんとにスルスル~。いつまでも滑らかさが途切れません。
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