
Photo by Kayla Kandzorra from Flickr
「賢者タイム」は、男性がセックス後、“性欲”が消えて我に返った状態。ですが、同じように女性も、「もう疲れた」「そっとしておいて」と、同じような状態になることがあります。
<強いオーガズムを得ると、男性と同じように性欲が失せてしまう、絶頂に達するのは1回だけ、という女性は男性が思っているより大勢いるんです>
セックス後、悲しくなる女性も多い?
しかし、脱力感から生まれる「休みたい」とは別に、「悲しい(ブルーな)気持ちになる」女性もいるようです。友人から「セックス後は悲しい気持ちになる」と聞いたとき、「全く気持ちよくないセックスのあとって、そうなるよね~」と返したのですが、そういうことではないようです。
そんな状態は、他の女性でもあるのかと調べてみましたが、友人に限らずそのような気分になる女性は少なくないようです。不倫関係やセフレとのセックス後の「私、なにやってんだろう……」的なものではなく、愛している相手とのセックス直後でも起きる憂鬱。その気持ちに追いついていけずに悩む女性も多いようです。
一般的には、イッたあとに分泌されるホルモン「オキシトシン」により、相手の男性を愛おしく感じ、余韻に浸るのが女性、と言われています。しかし、女性の中にはセックス直後から、愛情が高まるどころか、悲しく感じたり、虚しくなってしまう方もいるわけなんですよ。憂鬱な状態になるというのは、男性の「賢者タイム」より深刻な状況です。
涙が出る女性も
オーストラリア・クイーンズランド工科大学にあるロバート・シュバイツァー教授の研究グループは、何度かアンケートを行っています(参照※英文)。
2011年は、200人の女性からセックスについてのアンケートを行いました。セックスについて女性がどのような印象を抱いているのか、という質問に対して、全体の32%の女性は、「セックス直後から落ち込んだり辛い気持ちを感じ、何をする気力も沸かなくなる」などの状態に陥ると回答。
続いて2015年、女子大学生230人に行ったアンケートによると、46%が「少なくとも1回はセックス後、精神的に不安定になった経験がある」と回答しており、セックスの最中は気持ちよさを感じていても、コトが終わってから憂鬱な気持ちに襲われたり、不安や怒りを感じるとか。中には、涙が出ることもあるという人もいたようです。
原因不明で解明されていません
この状態について「セックス中の脳で何が起きているのか」、心理学者も研究者も解明できていないといいます。しかし、アンケート結果にあるように、実は珍しいことではないということ、セックス後、憂鬱な気分に襲われるのはアナタだけではないことは確かです。
原因は不明ではあるものの、「セックスへの期待感と現実のギャップ」が影響している場合もあるのでは? という意見もあります。セックスに「精神安定効果やストレス解消など、心身ともに満たされる行為」という期待を抱いてセックスをしてみたものの、自分の中ではその期待に届かなかったとして、落ち込みに変化してしまうのかもしれない、ということですね。
オーガズムで解決?
「オーガズムに達することで、肉体と感情が解放される」という意見もあります。実は「イッたことがない」という女性は意外と多いですよね。もしかしたら、イッたことがなくて憂鬱気分に陥ってしまう女性なら、オーガズムに達することが解決になるのかもしれません。しかし、オーガズムを得ても悲しみが襲ってくるという女性意見もあるので一概には言えません……。
いずれメカニズムが解明されることを願いますが、憂鬱になっても涙が出てきてしまっても、その現象はおかしいことではないので、少なくとも「自分は変なのでは」と余計な悩みを増やす必要はありませんよ。