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渡辺直美『カンナさーん!』当たり枠で高視聴率。ヒロインをありえない「スーパーママ」に飛躍させないでほしい

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『カンナさーん!』公式サイトより

『カンナさーん!』公式サイトより

 7月18日から放送開始となった渡辺直美(29)主演の新ドラマ『カンナさーん!』(TBS系)。初回視聴率は12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という数字を叩きだし、高い注目度を集める「TBS火曜ドラマ」の名に恥じないスタートを切った。

 最終回で20.8%を記録した『逃げるは恥だが役に立つ』、高橋一生(36)の人気を爆発させた『カルテット』、“ゲス不倫”ながらコメディでもロマンスでもない絶妙なバランス感覚を保った『あなたのことはそれほど』など、今後も語り継がれるであろうドラマを生み出し続けているドラマ枠である、TBS火曜22時。『カンナさーん!』の初回視聴率12.0%は、『逃げ恥』の初回10.2%、『カルテット』の初回9.8%、『あなそれ』の初回11.1%を超える数字だとして話題にされている。

 新垣結衣(29)、松たか子(40)と満島ひかり(31)、波瑠(26)という強力ヒロインの流れを断ち切るコメディアン・渡辺直美を主役に据えたことが吉凶どう出るかも注目されていたが、少なくとも初回は多くの視聴者を「見たい」気持ちにさせたと言えるだろう。

 自身の“ポッチャリ向け”ファッションブランド「PUNYUS」のプロデューサーを務める渡辺にとって、ファッションデザイナーでパワフルな性格の主人公・カンナはハマリ役。原作のカンナとも、見た目がそっくりだ。そのドラマでの役柄は、子どもを迎えに行った保育園でお遊戯中の教室に「ブンバボンボン! ブンバボン!」と歌いながら「恋ダンス」とは似ても似つかない民族風ダンスを踊りながら乱入したり、洋楽をかけて尻を振りながら料理をするなど、渡辺のネタを見ているかのようでもあった。

 一方、番組サイト上は「超ポジティブなスーパーママ」と紹介しているものの、ヒロインをその設定通りに閉じ込めてしまわないところが同枠の特徴だろう。夫の浮気が発覚し、会社で落ち込む様子を見せるカンナに、後輩がお菓子をちらつかせて「らしくないですよ」というシーンで、カンナは「らしくないって何? 食欲ない時でもお菓子出されたらひょいひょい食べるのが私らしい? 嫌な事あっても、ゲラゲラ笑って許すのが私らしい? 違うから!」と目を見開いて怒る。ヒロインをありえない人物像に飛躍させないのだ。

 浮気した夫(要潤)の「恋って名前の病気なんだ」「すべてが新鮮なんだ」「浮気じゃない。本気だ」といったセリフや、息子に甘々な義母(斉藤由貴)が「カンナさんも2(割)くらい悪かったことないかしら?」などと責めだすことでカンナは打ちのめされる。初回で落ちるところまで落とされ、第二話以降はシングルマザーとしての奮闘を描いていくこととなる。できればパワフルなスーパーママが一人で頑張るのではなく、周囲の人間たちの理解とサポートを得て協力していく姿を見せてほしい。

(ボンゾ)