
Photo by Chun-Hung Eric Cheng from Flickr
ここ数年、夏になると流れる男性用塗り薬のCMソング「夏は股間が痒くなるぅ~♪」が頭から離れません。夏は男女とも陰部の蒸れや痒みに襲われがちですよねぇ~。トイレや脱衣所でパンツを脱いだ時にプワ~ンと臭う陰部……女性の場合、夏の生理中の不快感ったら、たまったもんじゃありませんよねぇ。
食事やホルモンバランスの乱れが陰部の悪臭原因になることもありますが、今回は「蒸れ」による匂いに注目したいと思います。
蒸れる要素は盛りだくさん
人間はもともと、“菌”を持っています。健康を脅かす悪い菌が体内に侵入しても排除できるように、この“常在菌”が活躍しているのですが、しかし、この菌も過剰に増えてしまうと悪臭を放つ原因になるんですね。どのレベルから悪臭に変化してしまうのか、目に見えるものではないのでわかりづらいのが苦しいところです。
女性は、ストッキングや下着に蒸れやすい素材のポリエステルを着用していたり、長時間のデスクワークの方は陰部に汗をかきやすい環境です。汗自体は問題ないのですが、おしっこやおりものが菌を増殖する引き金となり、臭いが発生してしまうといいます。
さらに生理中は、ナプキン装着による蒸れが倍増、経血によって菌が増殖……と、股間で事件が起きていますので、せめて生理中の下着はコットン素材でムレにくさ重視、ナプキンはこまめな取り換え、通気性を少しでもよくするためにパンツよりスカート、と出来る範囲で清潔に保っておきたいものです。
と、偉そうに言っている私も数年前に、蒸れによって菌が増殖し「膣カンジダ(カンジダ膣炎)」にかかってしまったことがあります。当時を振り返ると毎日ストッキング着用必須の環境でしたし、経血が漏れないようにパンツの上から追いパンツを重ねて履いているようなこともあり、ムレッムレだったのでしょう。
カビは夏に増殖する。膣でも同じ
「膣カンジダ」と聞くと、セックスで感染する性感染症のイメージも強いのではないでしょうか。でもカンジダ菌は、カビの一種ではありますが、もともと人間の腸内や皮膚にいる常在菌。おとなしく生活してくれている菌です。生理時のように免疫力が低下したり、膣粘膜の状態が悪くなるとカンジダ菌が急激に増えてしまいます。それだけでなく、高温多湿になる夏は、食べ物などにカビが生えやすいように、カンジダ膣炎も増えやすくなります。菌が急激に増えることで、かゆみや炎症を引き起こします。
私が「膣カンジダ」を発症した当初は軽い痒みだった記憶。「蒸れて汗疹でも出来ちゃったかな……」と自己判断で、痒みを抑える塗り薬を塗っていましたが、数日経過して、膣だけでなく陰毛部分まで痒くなってきてガリガリ掻いてしまうほど痒みに襲われました。勇気を出して婦人科で診断をした結果「膣カンジダ(カンジダ膣炎)」だったことが判明しました。
カンジダ膣炎になっても早い治療ですぐ治る!
受診した段階で、婦人科の先生に「うわぁ~痒かったでしょう~」と言われるほどこじらせた状態でした。そんなふうなので「治療が大変なんだろうなぁ~」と覚悟したのですが、その場で洗浄してもらい、膣錠を入れてもらい終了。
その後、数日分の膣錠を処方してもらい、それだけで完治に至りました。驚いたのは翌日には、痒みがなくなっていたことです。とりあえず処方された膣錠を毎日お風呂上りに使用して、使い終わって再検診に行った時には、「もう大丈夫ね」とカンジダ膣炎から卒業できたのです。あの痒みと、痒みによるイライラを思い出し、「なぜ、早く行かなかったんだぁぁ」と後悔するほどでした。
私の場合は、膣カンジダのみの発症でしたが、そのほかの性感染症が併発してしまうリスクも高まるため、「陰部が痒いからカンジダ膣炎だ」と自己判断で市販の薬を試すのは危険です。軽いかゆみでも婦人科で診察を受けるようにしてください。
自分でできる膣内ケアは、お風呂で清潔なお湯で洗うこと。この時に石鹸で洗うことは厳禁(石鹸を使用していい部分は毛がある部分だけ)! できればお湯のみだけではなく、デリケートゾーン専用ソープ使用がベストです。
膣をキレイに! と気にしすぎて膣洗浄の「セぺ」をはじめ、使い切りビデを多用してしまうと、膣の必要な細菌をも洗い流してしまうことになるので、使用は月に1~2度程度にする、など上手に活用しましょう。