
スカートの中、パンツの中のお勉強。Photo by Tom Driggers from Flickr
毎日、暑いですねぇ。ニュースでは一日中、熱中症にならないようこまめに水分摂取するよう呼びかけています。三戸なつめちゃんが出演している、喉が渇きすぎてサボテンになっちゃった! という飲料水のCMのように、厚さに弱い私は身も心も干からびそう。せっせとお茶(ノンカフェイン)を飲む毎日です。
一方、巷ではにわかに「女性の大事なところ、実は干からびていますよ!」という警告が聞かれるようになりました。『ちつのトリセツ 劣化はとまる』(径書房)なる書籍が出版され、一部の女性たちをざわつかせているのです。その本に関連したネット記事「女性編集者が猛反省…チツは放っておくとどんどん“劣化”する」も、そこそこバズりました。タイトルを見ただけでも、「え、劣化!? やばいじゃん」と不安になりますよね。
著者の原田純氏が助産師のたつのゆりこ氏と出会い、「膣は使わないと干からび、そして劣化する」ことを知り、そうならないためのケアを学び、実践し、その効果をもってして「女性のみなさん、膣をケアしましょうね!」と啓発するのが同書の主な内容ですが、私は数ページおきに、「う~~~~~~~~~ん」と首をひねりつづけたため、読了するころには疲れ果てていました。
そこに「あれ、読みました?」と連絡をくれたのが、「スピリチュアル百鬼夜行」の山田ノジルさん。
ノジル「私、アレかなりのトンデモ本だと思ったんですが」
桃 子「で~す~よ~ね~!」
というわけで今回は、子宮系女子はじめ女性のあいだにはびこる謎物件に詳しい山田ノジルさんと、日々、性器に触れているバイブコレクターこと私、桃子によるコラボ企画「徹底討論! 『ちつのトリセツ』がいかにトンデモ本か」をお届けします。
桃 子:私はまずタイトルにもある「劣化」という語に引っかかったんですよ。女性有名人を指して「誰それが劣化した」という言い回しはネット界隈でよく見ますが、これ、ほんとにイヤで。
ノジル:イヤな言葉ですよね~。特に炎症などのトラブルがあるわけでもなく、何か疾患になったわけでもなく、健康ではあるけれど年を取れば誰にでも訪れる萎縮などの現象を「劣化」というって、露悪的なものを感じます。
桃 子:ほんとに。たしかに生殖年齢がすぎれば子宮も膣も萎縮しますが、それはいってしまえば老化現象。高齢になれば多くの人が視力が落ち、耳が遠くなり、内臓の機能も低下しますよね。それを指して劣化とはいわないのに。
ノジル:この本では外性器の見た目も、年齢によって変わると書いてありますね。
桃 子:私は某所で毎月、10~20人分の女性器を見ています(笑)。若い人はふっくらして肌のトーンが明るいけど、年齢が上がれば色素も濃くなり、肉が薄くなっていくのは事実ですよね。顔を見るより性器を見たほうが、その人の年代がわかることもあります。メイクがうまい方だと、顔はかなり若く見せられますから!
ノジル:エロ漫画などで年齢が若いほど性器をふっくらピカピカに描くのも、あながち間違いではないのか! 顔も体も歳とともに変わるのに、性器だけ変わらないわけないですよねぇ。なのに、なぜ女性だけ劣化といわれるのか? 男性器は劣化しないとでも?
桃 子:まさか男性は「排尿で毎日チンコを〈使う〉から劣化しない」なんていいませんよね~。