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子宮は女の象徴だと思っていた女性が、摘出してはじめて知ったポルチオの快感/神田つばきインタビュー「子宮を手放し、性の冒険に出た私」【1】

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子宮にちんぽが届くまで

果たしてちんぽは届くのか。イラスト/大和彩

 今回は連載「子宮にちんぽが届くまで~摘出前後のセックス~」の番外編として『ゲスママ』(コアマガジン)の著者、神田つばきさんにお話しを伺います!

「子宮にちんぽが届くまで」は子宮を摘出する前後で性感の違いがあるのかどうかを検証するために主人公が奔走するお話です。さて、「子宮摘出」という言葉には、ほかの臓器摘出(たとえば「盲腸を切る」など)とはまた違った、じっとりヘビーな質感、感じません? ホラ、「子宮を取ったらもう女性じゃなくなる」とか聞くじゃないですか。

 だけど、子宮なんざ、ただの臓器です。それ以上でも以下でもありません。女性性が宿る神秘的なモノでもないし、女性としての人生をまっとうするうえで絶対的に必要な臓器でもないんじゃないかなあ? というのが私の考えです。しかし、これはあくまでも私の個人的な見解です。体のことですし、100人女性がいれば、100通りの意見があるはず。

 子宮摘出された女性にそこのところをぜひうかがいたく思っていたところ、神田さんにお会いする貴重な機会を得ました。神田さんはフリーライターやAV制作の仕事に携わる一方、子宮摘出を経験された後にさまざまな性体験も積まれています。

「子宮とはなんなのか?」から「それにまつわる女性としての充実とは?」まで、神田さんにいろいろお聞きしました。

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スペシャルゲスト・神田つばきさん

――本日はどうぞよろしくお願いいたします。

神田つばきさん(以下、つばき):今朝の3時ごろまで悩んでいて。このインタビューでお話することはとっても責任重大だから、怖がられたとしてもきれいごといわないぞ、と思ってきました。

――恐縮です!いろいろご教示いただければ幸いです。

子どものおかげで、ガンが見つかった?

――神田さんは子宮頸がんが見つかって子宮摘出されました。

つばき:そもそもガンが見つかったのは、3人目ができちゃったからなんです。離婚前、セックスレスだったころ、夫が急に襲いかかってきたことがあったの。セックスレスの人って、コンドームを持ってないんです。で、できちゃって。もう中絶しかないねって。いま思うとホントひどい。人殺しだってことさえ、私はわかってなかった。結婚する前に親から「望まない子どもを作っちゃダメよ」っていわれてきた延長で、堕ろすしかないと思ってしまった。その後、二度とくり返さないために避妊リングを入れたのですが、出血が続いたんです。リングを病院で出してもらっても止まらなかったので精密検査したところ、ガンでした。

つばき:その子のおかげで見つかったのかもしれないし、命を軽視したからバチが当たってガンになったのかもしれない。どっちなのか私にはわからない。このことはこれまで、ふたりの娘にはいえなかったんですけど、2週間前に話しました。子どもたちは「3人目の子どもが教えてくれたんだよ」って前向きにいってくれましたけど……

――絶対バチじゃないです! もしそうだとしたら、男の人にもバチ当たってないとおかしいですし。こういうことに関しては、女性にばかり責任と反省を押しつけている社会がいびつな気がします。

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大和彩

米国の大学と美大を卒業後、日本で会社員に。しかし会社の倒産やリストラなどで次々職を失い貧困に陥いる。その状況をリアルタイムで発信したブログがきっかけとなり2013年6月より「messy」にて執筆活動を始める。著書『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』。現在はうつ、子宮内膜症、腫瘍、腰痛など闘病中。好きな食べ物は、熱いお茶。

『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』