――『ゲスママ』には、子宮摘出後、神田さんがポルチオを感じられた様子が書かれています。この「子宮にちんぽが届くまで」という連載は、子宮がなくなったらポルチオはどうなるんだろう? という私個人の疑問が発端となっています。ポルチオがどこにあるのかぜひ教えてください。
つばき:ポルチオってね、子宮口の周りなの。子宮を摘出したあとの膣は縫い縮めるから、ポルチオは残っています。子宮口って、ふだん閉じているの。縫い縮めた部分が、それ似た状態になっているらしいです。『ゲスママ』で書きましたが、フィストファック好きな産婦人科の先生にそこを撫でられたとき、ちゃんと気持ちよかったですよ。
――おおお、そうなんですか! 「あっ、ここにある」ってはっきりわかったんですか?
つばき:あれ、気持ちよかったな~。ええ、わかりますよ。あ、こういうことなんだって思いましたね。「わかる? いま撫でてるところが子宮口だよ、ちゃんとあるんだよ」って先生が教えてくださって。
――摘出しても、ポルチオ、あるんですね! 子宮がなくなった後、ポルチオはあるのか・ないのかがずっと疑問だったんです。けどご著書を拝読して、「ここに答えが書いてある」と衝撃を受けました。この事実に勇気づけられる女性は大勢いると思います!
子宮信仰的な何かがある
――いまだに日本では、子宮は「女性の象徴」と神聖視されています。
つばき:本当、女性にとって出産後は罰ゲームみたいよね。子どもを産んだら「子どもを産んだからスタイルが崩れたのよ」っていわれるし。産んでないと「子どもいなからわからないんだよ」っていわれる。そういう考えの中心に、子宮信仰的な何かがある気がしますね。子宮を絶対視する、みたいな。いまでも世の中は、子宮だけが性器だと思ってる。たしかに赤ちゃんが入ってるその期間は神聖だと思うけど、妊娠・出産に必要なのは、子宮だけじゃない。世間が、観念として「子宮子宮」といってるように見えて、乱暴だな、って思うんです。
――子宮って物理的にはちっぽけなものですよね。私が摘出した子宮は、こぶしよりも一回り小さかったそうです。
つばき:私も子宮、見たかった! 手術のとき、写真にも撮ればよかった!私は見なかったせいで、すごく「奪われた」感が強かった。盗まれたかのような気持ちでした。そのときはショックを受けるかもしれないけど、見たほうがいいですよね。
――はい、そう思います。
* * *
母性や更年期、さらにはセックスにも関連づけられることの多い子宮。だけど神田つばきさんのお話をうかがうと、ひょっとしたら、それらのどれとも子宮は関係ないんじゃない? という思いがますます強くなっていきます。
次回、中編では、子宮摘出後に神田さんが出られた「性の冒険」について詳しくうかがっていきます!
▼神田つばきインタビュー「子宮を手放し、性の冒険に出た私」
【2】子宮摘出が決まってから「こんな不当な目に遭ってたまるか」と怒りがわいてきた
【3】精神的に男性と愛情をつむげない私が、閉経後に気づいた「ペニスが嫌い」という本音