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子宮摘出が決まってから「こんな不当な目に遭ってたまるか」と怒りがわいてきた/神田つばきインタビュー「子宮を手放し、性の冒険に出た私」【2】

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つばき:「私は一体どこにいるのかな」「自分の子宮を誰に貸していたのかな」って大混乱しちゃって。じゃあ、貸していたものを取り返さないといけないなって。子宮はもうないけど、「子宮の中に入っていた自分の女性はどこに行っちゃったのかな」と考えると、いてもたってもいられなくなっちゃった。自分が探しているもののはっきりした正体は見えてないままに、落し物を探しにいくような感じ(笑)。

――性の冒険では、「女に生まれてよかった」という瞬間は発見できましたか?

つばき:ありましたね。セックスでは。

――性の冒険に出られたのは手術後に「グツグツ煮えるような気持ち」が湧いてきたからだそうですね。その気持ちが何で、どこから来たか、いまでは判明していますか。

つばき:結婚や出産・育児など、それまで試せることは全部やったけど、どうもそれはうまくいかなかった。「じゃあちょっと短絡的ではあるけれどもセックスと恋愛を謳歌することで自分の女性性を試そう」と思ったんですね。それが私のグツグツの正体です。

理性では逆らえない快感

――セックスで「女に生まれてよかった」という瞬間を実感されたとのことですが、そのときは止まれない感じだったんですか?

つばき:止まらないですね。色きちがいってこういうことだなって。いま思うと、すごいです。前向きなエネルギーがいくらでも湧いてきて。それくらいセックスでは充実できたんですよね。

――恋愛では充実できなかったということですか。

つばき:恋愛では充実できませんでしたね。

――よく「精神的につながってないと本当のセックスの快楽は得られない」と聞きますが。

つばき:そんなことないですよ。

――そんなことないんですね!

つばき:精神的なことはさておき、「体が合う」相手っているなと思います。精神とちがって、体が「合う」っていうことは脳天に稲妻が降り注いだように、一瞬で深くわかってしまう。その快さには理性では逆らえないですよ。

――初対面でもものすごく深いオーガズムを得ることは可能なんでしょうか。

つばき:可能ですね。こんな話までしていただけるとは思っていなかったのでうれしいです。

――セックスの充実といえば前篇でうかがったポルチオが思い浮かびますが、その後、産婦人科の先生とは?

つばき:あの先生とは2回しかデートできなかったの! ただそのあとも、ふたりだけポルチオにちんぽが当たる人がいたんですよ。

――なんと! それはちんぽが大きかったからですか(ザワザワ)?

つばき:大きさは関係ないんですよ。大事なのは、角度。

――角度なんですか、ふぉぉ……

「子宮がない」と相手に伝えるか

つばき:そう、角度。『ゲスママ』に出てくる恋人のひとり、萬斎くんはちんぽがポルチオに当たる人だったんです。人格は最低でしたけど。

――先ほどおっしゃってた「心がつながってなくても深い快感は得られる」ことのエビデンスのようなお話です。

つばき:萬斎くんとセックスしてるときに、「うんちしてるときみたいにいきんで」っていわれて、そのとおりにしたら、グッてポルチオに当たったんですよ。うまくいえないんですけど、膣の縦の長さを短くする感じです。膣が浅くなったときにいい角度で当たりました。

――出会い系などで相手を探す場合、セックスの相性は会う前にある程度わかるものなんでしょうか。

つばき:ある程度はわかりますね。わからないのはひとつだけ。当たる角度だけ。

――重要な角度!

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大和彩

米国の大学と美大を卒業後、日本で会社員に。しかし会社の倒産やリストラなどで次々職を失い貧困に陥いる。その状況をリアルタイムで発信したブログがきっかけとなり2013年6月より「messy」にて執筆活動を始める。著書『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』。現在はうつ、子宮内膜症、腫瘍、腰痛など闘病中。好きな食べ物は、熱いお茶。

『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで(WAVE出版)』