連載

セックス特集は誰のもの? フェアなセックス観を見せたあの雑誌に拍手を

【この記事のキーワード】

「マスターベーションは男性をとりこにする“セクシャルな女”になるためのエクササイズ」はいかがなものかと思いましたが(自分が気持よくなるため、でいいです)、おおむね女性側に主体性があることがわかります。「自分がさりげなくリードしていることを男性に悟られないよう配慮しながら、セックスを盛り上げるための努力を惜しまない女性」を讃えていた昨年のGLITTER、どこ行った?

 恥じらい方も提案されていますが、男女とも演出と承知したうえで一緒に“恥じらい気分”を盛り上げよう! とう内容でした。「男のためにモジモジしろ」や「男が傷つないよう恥じらえ」とは真逆の姿勢です。

セックスレスは、女性の問題ではない

 最後に「セックスレスにならないための予防法&対処策」について触れる前に、最近読んだ書籍『潤うからだ』(ワニブックス)について言及させてください。

 どこを潤わせたいかというと、膣ですよ。その点で当コラムで採り上げた「ちつのトリセツ」の類書に当たりますが、この著者が携わっているデリケートゾーンケア用品を愛用していたこともあり、ちょっとは期待していました。でも布ナプキンや経皮毒についてのトンデモ言説(詳しくは山田ノジルさんの連載を見てね!)が目白押しで、あげくセックスレスの原因を女性ばかりに求めているから、はなはだしくガッカリ。女性が膣ケアをせずに濡れにくくなって、そのため性交痛が多く発生する……それこそがセックスレスの原因! って、何いってるのかちょっとわかんないですね。セックスはふたりでするもので、セックスレスだってひとりではなれない。それを「女性に原因がある」と限定して何になるというんでしょう?

 そこにきてGLITTERのセックスレスページでは、原因を「社会的、文化的背景が大きく関わっているから」と明言。長時間労働、ワンオペ育児をこなしながらセックスフルでいろ、というのは土台ムリな話です。それでもふたりの関係性を見つめ直せばセックスレスを予防できるかも、いう内容です。お互いに努力しなければいけないんですよね。何もしない、片方しか歩み寄らない、ではあっという間にセックスレスです。

コストとページ内容は比例しない

「男のプライドを傷つけるような言葉がけはしないこと」という提案もあり、また男性を傷つけないキャンペーンか……? と身構えたのですが、目を通した結果、うん、女性だって傷つくことはいわれたくないよね! だったら自分も相手を言葉で傷つけるのはよそうよ、と思えました。ここでもやっぱり、フェアなんです。

 GLITTERセックス特集の読後感がさわやかだなんて! こんな日が来るとは思っていませんでした。女性“だけ”に役割とか奉仕とか配慮とかを強いない。それだけで楽しく読めて、ためになるセックス特集になるのです。

 この特集、「an・an」と比べると低予算感はあります。タレント(エロメン含む)のセクシーグラビアはないし、写真はほとんどストックフォトから買ったものだし、謝礼を払って語ってもらう“識者”も少ない。でも、セックス特集の善し悪しはそこではないですよね。「誰のためのセックス特集か」がはっきりしていれば、女性には届くはず。いやはや、おみそれいたしました。来年も期待しています(←どこから目線!?)。

backno.

1 2

桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

@_momoco_

Facebook