サードシーズンの脚本を担当する安達奈緒子氏はこれまで、『リッチマン、プアウーマン』『失恋ショコラティエ』(ともにフジテレビ系)など恋愛劇の脚本を書いてきた。しかし『コード・ブルー』に恋愛要素を注入する必要性は感じられない。緋山と入院患者の緒方(丸山智己/42)の淡い恋愛が描かれたと思いきや、第7話ではいきなり指導医の緋山に恋焦がれてしまったのか名取が二人の関係に嫉妬するといった“三角関係”までスタート。医療ドラマとしての『コード・ブルー』を楽しみにしていたファンは多く、この展開には「いらない!」とブーイングの嵐だ。
また、これだけ医療ドラマが量産する中で仕方のないことと言えなくもないが、既視感を覚えるエピソードも頻発。第7話では、強い使命感を持って医師になった灰谷が、ある患者の命を救えなかったことで自分を責めて落ち込み、自らに大量の睡眠薬を勝手に処方していることが発覚。その後、灰谷は駅のホームから転落して重傷を負い、勤務先の病院に運ばれてきたのだが、『救命病棟24時』(フジテレビ系)第2シーズンの最終話とそっくり同じ。同ドラマでは工藤(石田卓也/30)が患者を死なせてしまったショックで泥酔して転落事故を起こしている。
さらに次週放送予定の『コード・ブルー』第8話では、西アフリカから帰国した患者の処置をしている際、名取が患者の体内に入った針で誤って緋山の指を刺してしまい、緋山がエボラ出血熱の感染を疑われるという展開が用意されている。これと全く同じエピソードが『救命病棟24時』では香坂(松雪泰子/44)で描かれた。『コード・ブルー』では横峯が『救命病棟24時』を見て医者を目指したキャラクターであり、上記の展開がパクリかオマージュかわからないが、既視感の強いものであることは事実だ。
恋愛パートもそれはそれで「面白い」と楽しんでる視聴者もいるはずだが、低迷にあえぐ“フジ月9”において『コード・ブルー』はもっとも期待値の高いコンテンツと言って過言ではなかった。それをみすみす貶めるような展開は避けたほうが賢明ではなかっただろうか。
(ボンゾ)
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