こうして夢子は、プロジェクトを開始後、初めて快感を得られた。と思いきや、家に帰ると嘔吐感がこみ上げ、口を押えたまま数日は寝たきりで吐き気と戦いつづけていた。
うむ、親切でやさしい語り口ではあってもルックスが中性的ではない異性と素っ裸で時間を過ごすのは、こいつには精神的に無理なのだな。
肉体的にも不具合が現れ、ばしゃーっと出血があった。横隔膜と骨盤のあたりがじくじくと痛む。まるで石臼で内臓をギリギリすり潰されているようだ。腹腔内で出血しているのだろうか、骨盤あたりが熱をもってだるく、不愉快極まりないのに、体は冷えて仕方ない。夢子は湯たんぽをかかえて震えている。
「そうだったわー、性的なことをするといつもこうなるのよワタシ。だから遠ざかっていたのよ。あーやだやだ、病気って!」
上の口は手で下の口は生理ナプキンで押さえつつ、うんざりする夢子だった。