デビューに向けた怒涛のインタビュー期間があったんだけど、タッキーも翼くんも落ち着いていて、「10代でできなかったことが、二十歳になった今だからこそ逆にできると思うし」とコメントしていたわ。でもね、誰もがデビュー日の“9月11日”は「どうなんだろ?」という思いはあったのよ。だって9月11日と言えば、どうしたってその前年、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件を思い出すじゃない。2人もそれを誰より考えていて、鎮魂の意味を込めた楽曲も考えていたし、真摯に対応していて立派だったけど、スタッフの中には最後まで「何もそんな日にしなくても。デビューは違う日にしたほうがいい。祝福のイメージにそぐわない」と言っていた人もいたんですって。だけど結局、デビュー日は変更できず、「最初から重い十字架を背負ってのデビュー」を余儀なくされちゃったのよね。
それからの活動はね……正直なところ、あれほど光り輝いていたスーパーアイドルのタッキーが、CDデビューしてからは控えめな輝きになり、「あれれ? そんなハズじゃ」と感じることもしばしば。翼くんも同期とはいえ、何となくタッキーに遠慮している感じが漂っていたの。タッキーの輝きが少々、薄まったとはいえ、コンビ内格差は歴然としていたのよね。もちろん翼くんは弱音なんか一切吐かなかったし、タッキーも「翼がいなくちゃ始まらない」と話していて、コンビ仲は良好そうに見えたんだけど。
とはいえ、タキツバのコンサートは独特の雰囲気があって、それぞれのファンが「タッキー」「翼」コールをして、どちらが大きな声で応援したかを競ったり、ヒット曲「夢物語」や「Ho!サマー」なんかは会場中のファンが一体となって振り付きで歌い踊るし、盛り上がるったらないの。取材陣だって我慢出来ず、立ち上がって全力で踊ってるんだから。あれはホント、みんなに一度は体験して欲しかったわぁ。
タキツバの楽曲のいいところは「ファンのみんながマネできるような振り付け」がなされていること。スペイン舞踊にまで手を染めるジャニーズきっての踊りの名手・翼くんが、ファンと一緒に踊る姿は涙もの。みんなで一心不乱に歌い踊るあの感動がもう味わえないなんて、絶対に嫌! 本当にめちゃくちゃ楽しいんだからぁ(泣)。