一方で、なんのお咎めもないどころか、週刊誌による不倫スクープにテレビのワイドショーが一切触れなかった女性タレントもいる。タレント・マギー(25)は今年1月に「FRIDAY」(講談社)で、バンドHi‐STANDARDのボーカルギター・横山健との不倫交際疑惑が報じられた。横山は2人の子供がいる妻帯者である。またマギーも昨年9月にORANGE RANGEのメンバーYAMATOとの熱愛が報じられたばかりであり、お互い二股交際だったのではないかという疑惑もあった。が、この二股不倫報道がマギーの仕事に影響を与えた様子はうかがえず、ラジオのレギュラーをはじめ『ヒルナンデス!』『バズリズム』(ともに日本テレビ系)、『わざわざ言うテレビ』(テレビ大阪)等のテレビレギュラーも以前と変わらず継続して出演している。それは別にいいとして、すごいのは、斉藤のように会見もコメントも発表することなく、テレビが一斉に沈黙しスルーしたことだ。マギーの所属事務所はバーニング傘下のレプロエンタテインメント。能年玲奈(現・のん)、清水富美加(現・千眼美子)らも所属していた事務所である。
今年1月22日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)オープニングで、横山健とマギーの不倫について取り上げようと松本人志が「マギーの話を」と言うと、東野幸治が「マギーの話もめちゃめちゃしたいですけど、それは奥のほうに置かせてもらっていいいですか? マギーの話したら、僕、怒られそうなんで」と露骨な切り返しをしたことも話題になった。他のワイドショーは軒並みスルーだった中、このワンシーンだけが唯一、マギーと横山の不倫に触れるものだったからだ。マギーの不倫ネタがいかにタブーだったかがよくわかる。
ただ、斉藤やベッキーは不倫騒動で渦中の人となったにもかかわらずマギーは……という見方はそもそも不毛だ。不倫でペナルティが課されなければならないなどという決まりはない。とはいえ、同じことをしていても、とことんバッシングにあう芸能人と何事もなかったかのように活動を継続できる芸能人がいるのは事実で、視聴者から見れば「タブータレント」と芸能事務所、それを取り巻くテレビ局の関係は異様である。所属事務所の顔色を伺って一方では騒ぎ立てたり、他方では黙殺したりと、対応を変えるメディアに、事務所の力学による不公平感をまざまざと見せつけられてしまった。
(鼻咲ゆうみ)
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