連載

ヒロインのモデルは、子宮系女子のカリスマ。障害者の性を描いたとされる映画『パーフェクト・レボリューション』の問題

【この記事のキーワード】

〈どんな不可能も可能にする〉という謳い文句の答えは、物語の中には見当たらず、しかも周囲の環境、人間関係はむしろ悪化しているし。社会的にしいたげられた、つらい恋愛でも「ありがとう」と言えるように成長したことが革命であるなら、別に世界に証明する必要はないのでは。ふたりが成し遂げようとした〈完全なる革命〉の着地点がまったく見えてこないので、見ているこちらの気持ちが不時着&遭難者。

 さて熊篠氏や子宮委員長を知る方は、この恋愛の、後味悪~い後日談をご存じでしょうか。熊篠氏と破局後、結婚&出産した子宮委員長は、現在カリスマ子宮系女子として高額セミナーや出版を連発させ絶好調のご様子。まあここまでは別にいいのですが、風俗嬢時代にできた子どもは、「生物学上の親子関係はない」という話になっている元夫が育てることになり、現在は新たな婚約者がいることを方々で宣伝。

映画公開で浮かれまくるご本人

 そして、この映画の公開で「障害」というキーワードが再度、自身のセミナー等への集客につながると思ったのか、「誕生日プレゼントには養子か里子が欲しい。念願の障がい児希望~」という記事を書き、「自分の子どもさえ育てられないのに……?」という点をはじめ、あまりのひどさにウオッチャーたちを絶句させています。

 このオチによって映画で語られたはずの〈障害も越える愛〉が、実は〈相手の障がいを自分を引き立てるための、特殊アクセサリーにしている〉という疑惑と虚脱感を植え付けてくれました。障害者の性へ理解を訴えかけるはずの作品が、ヒロインモデルによって激しく足を引っ張られるという、何とも情けない結果になっていますが、子宮教の信者たちはこれをどう見るのか。〈自分を大切にする〉という子宮教も、他人の障がいを自分の幸せに利用するのは、さすがに度が過ぎるのでは。

 こういう映画を観る度に、「文春きいちご賞」(最低映画をランキングする賞。現在は休止)の復活を切に願ってしまいます。いろいろな残念要素が詰め込まれた本作を、ノミネート作品として大プッシュさせていただきましょう。

backno.

1 2 3

山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

Facebook