9月22日発売の「Cheese!」11月号(小学館)に、同誌史上最年少となる13歳の作家・逆巻詩音さんのデビュー作『甘く苦く満たして』が掲載されました。その内容は女の子が好きな男の子の“セフレ”から恋人に昇格するという、ちょっとエッチなテイスト。「Cheese!」らしい作品ですが、それを13歳の女性が描いたことに驚きです。
『甘く苦く満たして』に登場するのは17歳の男女。栞里は幼なじみの遼に告白をします。すると遼は付き合うとかの提案はなしに「じゃあさ、俺に抱かれる?」とまさかの提案。好きだけど彼への気持ちを断ち切りたくて告った栞里は、未練をなくすためにと思って遼に処女を捧げます。
初っ端からラブシーンを入れてきた逆巻さん。今はネットなどでさまざまな情報が手に入るとはいえ、“恋心を断ち切るためにあえて寝る”というシーンを13歳の子が描くのは「なんだかすごい」と驚かせられるばかり。坂巻さんは『僕は妹に恋をする』『僕の初恋をキミに捧ぐ』(共に小学館)の作者・青木琴美さんのファンで、同誌に掲載された青木さんとの対談インタビューによれば、幼い時から母と共に青木さんの作品を読んでいたとか。英才教育されていたんですね~。
作品に戻って、遼への気持ちを断ち切るはずの栞里でしたが、彼と寝たことによって、さらに気持ちが大きくなってしまいます。遼を手離したくない、そんな想いから栞里は遼に「私とセフレになって」と提案します。そして日々、遼と身体を重ねます――。
ズブズブのセフレルートに突入したわけですが、ここの栞里の心理描写がまさしくザ・セフレ女。「シている最中は満たされた 少なくとも私の身体は」「でも終わったら ただただ虚しくなるだけだった」「セフレのままは嫌だ」って言葉、セフレから彼女に昇格したい女が言ってる言ってる……!
“ン年目の13歳の子”が描いたんじゃないかと思う内容に、ネットには「13歳がセフレとか…」「13歳が描く内容じゃない」という声が上がっていますが、中高生の一部は私たち大人が思っている以上に性的には大人なことをしているようです。坂巻さんいわく、この作品は学校の同級生カップルから着想を得たそうです。カップルから聞いた話+自分のアイディアをつなぎ合わせて妄想して作ったと。それでここまでの心理描写ができるのは素直にすごい(そして、今の高校生がどこまで進んでいるのかも気になる……!)。
確かに、人生経験はマンガへの肥やしになるかもしれません。ですが、『僕は妹に恋をする』で兄と妹の禁断の愛を描いた青木さんもデビューは18歳の時でした。これからも坂巻さんにはフレッシュな作品をどんどん生み出してほしいものです。