けれどもあまりにも乗れないので、ちょっとズルして同行したカメラマンの腕を借りることで、やっとマスケロンの上に少し乗ることができた。しかし、せっかく乗れても今度は上着が脱げない。通りすがりの地元の人が、コツを教えてくれたりもしたが、やはり成功しない。ほんとに悔しそうな夏帆は、なかなかの負けず嫌いのようである。
そして最後に編み出した“走り込んで飛び乗る”という作戦で挑戦した6回目で、着ていたコートが「脱ぎにくい!」とボヤくと、袖がなくて脱ぎやすいベストにチェンジして再チャレンジ。「9回目」とテロップが出た映像に切り替わるとその“ベスト作戦”で見事に成功するのであった。
居合わせたギャラリーからも拍手を貰って喜ぶ夏帆だったが、「これいいの?」と、ややインチキっぽく成功したことに疑問を抱きながらも、満更でもない様子で「や~、(成功したから)結婚しちゃうなぁ、これ、どうしよっかなぁ~」「(自分の回の)アナザースカイ放送ぐらいの時には結婚してますよ!」と、「マスケロン伝説」を信じて飛躍し過ぎたコメントをしながら、イタズラっぽくドヤ顔をキメるのであった。相当な負けず嫌いではあるが、かなりお茶目さんのようだ。残念ながら(?)、今回の放送までには夏帆がこの時に予言した結婚ニュースは世間に流れず、「マスケロン伝説」の威力はとりあえず“お預け”状態。やはり、ズルしたからだろうか?
また、世界で3番目に古いと言われる老舗の「マラ・ブラーチャ薬局」に立ち寄ると、オーガニックのハンドクリームを購入しようと香りを入念に嗅ぎながら迷うこと30分、恰幅のいい女性販売員に冷めた目で睨まれつつ、14世紀から作り方が変わらないという4品のクリームを購入した。その後もやはり香りをしっかり確かめながらハーブティーも購入。「買っちゃった♪」と異国の地で出会った歴史のある商品を手に入れたことが嬉しそうであった。やっと夏帆の乙女らしい一面を見ることができて、少し安心した。
褒めたら伸びた! 食レポ急成長!
そして、街のレストランに入ると初めての“食レポ”にも挑戦。前にカキを食べた時にあたってしまったことがあるものの“カキ好き”ということで、異国の地でカキを久々に食べてみたら「美味しい!」とご満悦。「日本のカキとは違いますね」と続けたのだが、久しぶりに食べたのでそれ以上のコメントが思い浮かばず「カキってどんなんでしたっけ?」とスタッフに笑いながら救いを求めちゃうのだった。食レポはテレビで何気なく見たことはあるらしいが、いざ自分がやるとなると「美味しい」しか言えないと急に弱気になる夏帆。
次に「シーフードグリルの盛り合わせ」を食べてみると「う~ん、焼き魚?」と、とても食レポとしては使えないようなショボいコメントしか出て来ないのであった。しかし、最後のデザートのプリンが出てきた頃には慣れて来たのか、風味や食感についてのコメントがちゃんとできていた。しまいには、クロアチア料理の総評までしていて、同行スタッフに食レポのスキルの上がり具合を褒められると目を細めてドヤ顔をキメたのだった。夏帆は褒めると伸びるタイプのようである。
そして、夏帆は今回もうひとつの目的地である世界自然遺産の「ブリトヴィッツェ湖群国立公園」へ向かった。大自然の中、彼女はまたもやハイテンションとなり、雪の積もる公園を「ヤバ~イ!」と、飛び跳ねながら散策していた。しばらく歩いて辿り着いたのは、地上78mから流れ落ちる「ヴリトヴィッツェ滝」であった。憧れていた荘厳な景色を目の前にした夏帆は「すご~い!」「なんでこんなにスゴいんだろう!」と感動しながらも、
「水が落ちてるだけなのに!」
と、世界自然遺産の滝をなんとも大雑把に表現してしまうのだった。
番組の終盤で夏帆は、
「(人間として)ペラッペラにはなりたくない、いろいろ経験して厚みのある人間になりたい」
「狭い世界にいるのはもったいない」
と現在の心境を語り、これからもっともっと旅をしてたくさんの経験をして行こうと決意するのだった。今回の旅でクロアチアは彼女にとって「夢が広がった場所」となったのだとか。
今回の放送で夏帆が時々、変なコメントをしてみたり、部活動男子みたいな雑な言葉遣いになったりして、世間がイメージするような“透明感のある清楚な夏帆”からは遠ざかったようにも思えるが、全部ひっくるめて“ピュアで野生児な夏帆”が見れたような気がする。“旅したいモード”真っ盛りの夏帆に、是非また旅ロケの番組に出て欲しいと思う。今度はどんな彼女らしい“野生児コメント”が飛び出すのか、早くも期待してしまうのであった。
■テレ川ビノ子 / テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。おもしろテレビ万歳!
1 2