スポーツ界では、7月28日に知人女性を暴行したとしてJ1・ヴァンフォーレ甲府の道渕諒平(23)が逮捕された。しかし8月31日に不起訴処分となると、クラブは3カ月の活動停止、3カ月間減俸20%、12月まで社会貢献活動実施の処分を言い渡すのみで、解雇はしなかった。
公務員では、7月28日に「埼玉新聞」が小学校の男性教諭の不祥事を報道。特定の女子児童に対し、嫌がっているにも関わらず何度も抱きしめたり、自宅付近まで訪れたり、「好きだ」という手紙を送り付けていた男性教諭に言い渡されたのは、停職3カ月の懲戒処分だった。
このように、芸能界のみならず、不祥事を起こしても職場復帰することはできる。また、不祥事を起こして逮捕・起訴、有罪判決で収監されたとしても、釈放後に再就職することはまったくの不可能ではないだろう。もちろん社会生活を営むことが出来ず、何度も犯罪と逮捕・収監を繰り返してしまう犯罪者もいるが、そこには孤独や貧困、疾患など複数の要因が複雑に絡み合っている。
田中は薬物使用を否定し不起訴処分となっているが、著名人であるがために逮捕時から大きく報道され、「薬物中毒者」というレッテルを貼られている。芸能人の場合はこの報道合戦により仕事上のイメージが大きく傷つき、その後も長く尾を引くという厳しさがある。また、それまでの経歴や能力的に、芸能界や裏社会のような場所以外で新たに職に就くことが難しいケースもあるだろう。
去年12月に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、成宮寛貴(35)の薬物疑惑報道が出始めたばかりの時に、松本人志(54)が「『あいつ薬やってるで』って言われたらなんとなくそう見えてくる」「検査して(陰性で)も『何日前から抜いていた』ってどうせ言われるし」「(イメージが)真っ白に戻ることは無理かも」と発言している。成宮はその後、逮捕も検査もされていないが、「薬物中毒者」のレッテルと共に仕事を失った。薬物報道をした週刊誌は、確固たる証拠を握っている自信があったのだろうが、しかし疑惑はあくまでも疑惑であり、事実かどうか分からない。その段階で「イメージが真っ白に戻ることは無理」になってしまうのが芸能界の厳しさでもある。
一方で芸能人は短時間の労働でも大金を手にすることが可能な職種と見られている。ただしギャランティはあくまでもそのタレント個人の業界内のランクによるもので、ジャニーズ事務所を追放され地上波テレビや広告関係の仕事などと縁が途切れた田中に関しては金銭的に困窮しているという友人女性の証言なども出回っていた。復帰の道を選んだとはいえ、甘い汁を吸う生活が出来るというわけではないだろう。たとえ今後困窮することがあっても、犯罪行為に手を染めることなく、言葉通り地道に這い上がってほしい。
(ボンゾ)
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