彼女はいつも「下着の線が出ちゃうから、撮影前は下着はつけないの」と言っていて、その日も当然そう。ピンクのバスローブ姿で現れたなお美さんがあまりに可愛くて誉めたら、何を思ったか、なお美さんが突然「ほーら、見てご覧」と言って、私の目の前でバスローブの前をはだけて。エッと驚く暇もなし。
そこにはスッポンポンの目にも美しいなお美さんの肢体が……。びっくりたまげる私の驚き顔を尻目に大爆笑するサービス精神満載のお茶目ななお美さん。信じられないでしょ? こんなことをサラリとやってのける女優だったんです。
しかも「写真、撮ろう」と言い出して、私が観光用に持っていった普通のカメラで写真撮影開始。えっと、言っておきますが、この時もなお美さんはスッポンポンなので、こんな私用のカメラでうっかり“川島なお美のヘアヌード写真”が撮れちゃったわけなの。篠山紀信先生が撮った写真じゃないのよ。素人がなお美さんの真っ裸を、ご本人のご厚意とはいえ、ちゃっかり撮ってしまって。こんな遊び心のある人だったってことを、皆さんはご存じだったでしょうか? しかもしかも「この写真、よかったらパパのおみやげにして」って。どこまでもユーモア溢れる女性なのよ~!
その後、問題の『失楽園』最終シーンが撮影されたんだけど、私の手元には相変わらず台本ナシ。でもその日もなお美さんの裸体を目のあたりにし、「うん? もしやラストも真っ裸とか?」と想像するのみ。撮影はゲリラ的に行われたため、私たちは近くまでは行ったけど、撮影自体は同行出来なかったの。蓋を開けたら「ラストはなお美さんと一行さんが手を繋ぎながら裸で歩いて行くシーン」でね。少人数のスタッフで、パッと行ってこっそり撮影してきたみたい。もうね、最高に刺激的で美しいラストシーンだったわ。
川島なお美さんというと、何となく世間から誤解されることが多くて、「女優女優しすぎ」とか言われることもあったけど、でも正真正銘「女優」だったんだから仕方ないよねって思ってたわ。よく「私、『役作り』ということはしないの。嫌いな言葉なのよ。だって役は作るものじゃなくて生かすもの。『役を生きる』んだもの。だから私には『どんな役作りをしているんですか?』とは聞かないでね」と言っていたわ。
体のメンテナンスも、エステにスポーツと常にちゃんとしていてね。有名ななお美さん語録に「私の血は赤ワインでできている」っていうのがあるけど、確かにワインが大好きで、毎日楽しまれていたけど、「飲むからには動かないと」と言って気をつけていたの。酔うと可憐さが爆発して、女の私でもドキドキしちゃったわ。