
たしかにジーンズを履いてはいますが…っていうか裕翔が悪いとかの話じゃないからね!
10月2日、2017年度のベストジーニスト受賞者が発表された。同日都内では「第34回ベストジーニスト」受賞者の発表会が開催され、マスコミのカメラが待ち受ける中、受賞者たちが次々と登壇した。
先に、ベストジーニストとはなにかをおさらいしておこう。
<「ベストジーニスト」AWARDは、日本ジーンズ協議会ならびに岡山県アパレル工業組合が、ジーンズの良さを多くの方々に知っていただこうという趣旨で行っているものです。「ベストジーニスト」には、『一般選出部門』 『協議会選出部門』 『一般新人部門』 の3つの部門があり、各部門ごとに、毎年1回選出・表彰される賞です>(ホームページより引用)
『一般選出部門』は、“最もジーンズが似合う有名人”を一般から募集し、投票の集計結果により上位男女各1名が決定される賞のことで、一般投票でベストジーニストに選出される有名人は国内在住であることに限られているようだ。ハガキとweb・モバイル投票で募集している。なお、現在ホームページ上ではすでに2018年度の投票受付が開始されている。
もはや毎年の恒例行事として認知された感のあるこの授賞者発表であるが、設けられた3つの部門の中でも特に話題となるのはやはり『一般選出部門』であろう。今年のランキングはどうなっているかというと……ちょっとビックリな結果だった。
<男性>
1位:中島裕翔(Hey! Say! JUMP)/28,379票
2位:上田竜也(KAT-TUN)/21,675票
3位:玉森裕太(Kis-My-Ft2)/16,327票
4位:山下智久/7,385票
5位:松村北斗(SixTONES)/2,434票
6位:増田貴久(NEWS)/1,954票
7位:永瀬廉(Mr.KING)/1,912票
8位:岩沢厚治(ゆず)/1,823票
9位:戸塚祥太(A.B.C-Z)/1,737票
10位:中島健人(Sexy Zone)/1,622票
見事なまでにジャニーズ事務所所属タレントのオンパレード!! あ、失礼。8位のゆずの岩沢以外は、だ。いやしかしこうなってくると、ジャニタレオンパレードの中でもしっかりと8位に食い込んでくる岩沢こそがひょっとすると真のベストジーニストなのではないだろうか……筆者などそんな風に考えてしまう。
しかし5位の松村北斗(SixTONES)とか7位の永瀬廉(Mr.KING)とか、正直この名前を見ても「誰だよっ!」とツッコミを入れたくなる人が大多数ではないかと思われる(ちなみに筆者も知らなかったためググったことをここに告白しておく)。ジャニオタ以外は知らないであろうほぼ無名に近いジャニーズタレントがランクイン……匂う。組織票の匂いがぷんぷんとする。いったいベストジーニストはいつの間にこんなことに? 参考までに去年の入賞者を見てみよう。
亀梨和也からちょっと様子がオカシイ
2016年のベストジーニスト一般選出部門の男性受賞者は以下の通りだ。
1位:藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)/52,716票
2位:上田竜也(KAT-TUN)/46,700票
3位:中島裕翔(Hey! Say! JUMP)/10,019票
4位:玉森裕太(Kis-My-Ft2)/2,847票
5位:中島健人(Sexy Zone)/2,766票
6位:松村北斗(ジャニーズJr.)/1,598票
7位:戸塚祥太(A.B.C-Z)/1,475票
8位:ファンキー加藤/1,268票
9位:山下智久/1,136票
10位:増田貴久(NEWS)/1,049票
あ、8位にファンキー加藤が……(遠い目)。しかもこれ、加藤の不倫隠し子騒動のあとの投票結果というから驚きだ。加藤のファンはベストジーニストに入賞させることで、イメージアップを図ったのであろうか、あるいは騒動前の段階で相当数の得票があったということなのか。まぁそれはさておき、昨年も昨年でやはりジャニタレオンパレードだったようだ。
ちなみに1位の藤ヶ谷は3年連続の受賞となったため、定められたルールに従いこの年に殿堂入りしている(殿堂入り男性メンバーにはほかに木村拓哉、草なぎ剛、亀梨和也、相葉雅紀がいる。殿堂入りすると受賞対象外となる仕組み)。そして松村北斗は昨年もランクインしていたことを知りまたビックリ。今年はSixTONESのメンバーと所属グループ表記が変更され、昨年よりひとつ順位をあげて5位にランクインしている。
1994~1998年に5年連続でベストジーニストを受賞した木村。1999~2003年までやはり連続5年受賞となった草なぎ(当初はまだ3年連続受賞で殿堂入りというルールがなかったようだ)。このふたりがベストジーニストを受賞し、なおかつ殿堂入りしたことについてはなるほど納得できるものがあった。
かつてふたりがまだSMAPのメンバーだった頃、ドラマや雑誌のグラビア、バラエティ番組出演時など常にジーンズを履いているイメージがあった。木村がその昔「ジーンズは洗わない」発言をしたという話はいまでもネット検索するとすぐに出てくるほどだし、草なぎに至ってはヴィンテーズジーンズのコレクターとしてあまりにも有名であり、2011年にレギュラーを務めていた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)ではジーンズについての深い知識を披露、当時の出演者から感嘆の声があがっていたほどである。いまでは手に入らない相当なお宝ジーンズも所有しているようだ。
だが木村と草なぎ以外のジャニーズ受賞者については、もはや<ジーンズが似合う>というよりは、そのときに人気のあったジャニーズタレントファンの組織票による結果、という方向性になっていやしないだろうか。昨年と今年を比較するだけでも、全体的にがっくりと投票数が減少しているのもわかる。世間の関心も「どうせジャニーズタレントが受賞するんでしょ」と薄くなってきているような気もするのだ。
ベストジーニスト一般選出部門の第1回目(1984)の受賞者は、男性は郷ひろみ・女性は浅野ゆう子。第2回目は男性は藤竜也・女性は浅野温子である。第7回目(1990)の男性受賞者はなんと高嶋政伸だ! なんともバラエティに飛んだメンバーではないか。ほかにも「へえ~なるほどね」「あーそういえばジーンズ似合うね」と言いたくなるような人たちが過去にはランクインしている。ベストジーニストとは決してジャニーズの人気投票ではなく、本来はそういうものではないだろうか。組織票なんてはやめにして、来年からは世間が納得する<本当にジーンズが似合う有名人>が選ばれることを祈る。
(エリザベス松本)