紗栄子はおそらく戦略家であり、取捨選択がうまい。20代の若さでも冷静な決断をする力があったのだろうし、度胸もあるのだろう。そして紗栄子は、いい女の振る舞いをしてハッピーオーラを出していれば、自然と同じようにハッピーな人間が周りに集まるし、自分のような女を毛嫌いする男たちは寄って来ないと知っている。
「自分のことが好きで、自信がある女を嫌がる男なんて、ケッ!って感じ」
良い意味での自己愛。自分が自分を肯定して愛していることが幸せにつながっている。私は紗栄子のことを正直に言って全然好きではないし可愛いと思えない(ファッションもメイクも好みのタイプではない、というだけのこと)けれど、このロングインタビューを読んで彼女の思考を初めてクリアに感じ取ることが出来た。そして彼女を支持する女性が一定数いることにも納得がいった。男に媚びて庇護されて輝くタイプではなく、愛されながらも従順ではなく「自分がやりたいこと」を最優先にするワガママさこそ若い女性にとって支持すべき大事なポイントなのだと思う。
だから紗栄子に「ピュア」「ナチュラル」といった形容をするのは、ちょっと違う。賢くて貪欲で、“普通”とはかけ離れたバイタリティの持ち主だからここまで彼女は成功しているのだ。もし彼女がちゃらんぽらんで何の努力もせずにいたら今の地位は築けなかっただろうし、吸収力は人の何倍もあるだろう。成り上がりは伊達じゃない。あらためて紗栄子の良さを知ることができる、重〜いインタビューだった。
(犬咲マコト)
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