
吉岡里帆コンセプトフォトブック「13 notes#」東京ニュース通信社
女優としてブレイクを果たした吉岡里帆(24)が、水着で写真撮影をするグラビアの仕事を「最初はやりたくなかった」話は有名だが、友人でシンガーソングライターの吉澤嘉代子(27) との対談で、あらためてその当時を振り返った。
CINRAの運営する女性向け媒体(自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティ)「She is」に掲載されたその対談で、インタビュアーからグラビアで着用していた水着の「紐の細さがすばらしい」という話を振られた吉岡は、次のように語った。
『あの時間もある種、文字通り切り売りの時間だったんです。だって私は水着姿なんて絶対出したくなかったし、両親からも、「本当に結婚するような人にしか見せちゃだめ」という教育を受けてきたから。それを、全国区の、ワンコインで買える週刊誌で披露して、1週間後には廃棄処分されて。こんなに脱いでも、翌週には別の女の子のことを見るんだろうなと思うと、自分のその「旬すぎる時間」みたいなものがすごく辛かったです』
これは彼女の本音なのだろうが、しかし『これを言うと、ファンでいてくれる方たちはすごく怒る』というところまで彼女は踏み込んで発言する。「応援している人をバカにしてる」という手紙が送られてきたこともあるという。
『やりたくないというのは私の偽れない本当の気持ちで、でも、そう思いながらも脱ぐことに意味があると思っていました。嫌なんだけど、自分の夢をつかむために、それをやってほしいと求めてくれる人がいる以上、その人たちに応えるのが私の生き方だということに抗えなかったんです』
やりたくないけれども、やることに意味があると自分で納得して腹をくくったからこそ、結果的にグラビアによって一般ユーザーから注目されて、女優業での姿も拡散された。結果、彼女の演技をクリエイターが見る機会を得ることにつながり、評判が評判を呼んで今がある。やりたくないことは頑としてやらないと意固地になっていたら、今もまだブレイク前の女優だったかもしれない。人から求められることをやる、と彼女は決め、その勝負に勝ったということだ。
さらに水着グラビアを「女優としてはハンデ」と認識していることまで、彼女は明らかにしていく。グラビアを活動のメインに据えている女性タレント(あまり多くはないが)にケンカを売るような発言ではあるかもしれない。ただ、決して喧嘩腰ではないし、丁寧な説明ありきだ。
『人は、脱いだ人を「脱いでる人が芝居している」って見るんですよ。脱がない人のことは、はじめから「この人は芝居する人なんだ」という目で見ます。その壁ってすっごく厚くて高くて、自分で自分の首を絞めるみたいな行為をしてしまったと思うこともあります』
これだけ彼女が言葉を尽くして真摯に語っていても、どうやら一部の「ファンでいてくれる方たち」には通じないのか「すごく怒る」声がネット上に見受けられる。
・グラドルを下に見ていて不愉快。
・グラビアは自分をアピールできる武器とは考えられないのか。グラビアの仕事が次の仕事に繋がる事実は否定出来ない。
といった声だ。また、彼女に対して「重く考えすぎだ」と見る向きもある。あるいは「怒る声」ではなく、嫌々やっているからこそ凌辱的でそそるという、まさに「どのように水着グラビアを消費しているか」を直球で伝える声も。
・綾瀬はるかや深田恭子だって有名になっても水着写真集出してるのに。
・そう堅く考えなくても……。
・これを言ったことで吉岡里帆のグラビアに「この人は嫌々水着になっている」という付加価値がついた
・境遇考えるとほんと捗る
こうした様々な意見を、すでに吉岡里帆は嫌という程目にし、聞いてきただろう。
2015年の「週刊プレイボーイ」(集英社)インタビューで、吉岡里帆は「グラビアの話を最初にもらった時は抵抗があったのでは?」と質問されて『実は…泣いちゃいました。あははは』と答えている。
『だってグラビアに出るなんて人生で一回も考えたことなかったから(笑)。でも自分にとってこれもチャンスなんだなと思えたのでやらせていただくことにしました』
そして2017年もまた、同誌のインタビューに応じて(2時間を超えるロングインタビューだったそう)おり、「割と有名な話ですが、吉岡さんは最初、水着グラビアをやりたくなかったんですよね」と聞かれて『はい。撮影のお話をいただいたとき、「絶対私にはできない」って、マネジャーさんとの電話で号泣しちゃいました(笑)。当時は京都の小さな劇場でお芝居することだけが自分のすべてだった時期で、とても狭い世界にいたんですよね。週刊誌に水着姿で出るということがまるで想像つかなくて。自分とは最も遠い世界のような気がして、危険な一歩を踏み出すみたいな心持ちでいたんです』と、その覚悟を明かしている。
ただ、同誌インタビューでは、「She is」ほど赤裸々ではない。もっとずっとオブラートに包まれた言葉で、水着グラビアを肯定する。
『グラビアって肌の露出だけを見せるものではなくて、その人のパーソナリティや内面を写すものなのかなって。今は自分自身、特別な表現方法だと思っています』
『私、ほかのアイドル、モデル、女優さんと比べて突出してビジュアルが美しいわけではないのは、自分でよくわかっているので。むしろ込み上げてくるものをいかに残すかという点で勝負したいなって。だから毎回、自分の気持ちに嘘をつかず、素直な表情を出していきたいと思っています』
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