SMAP解散、ジャニーズ事務所からの離脱、そして「新しい地図」の始動。稲垣吾郎(43)、香取慎吾(40)、草なぎ剛(43)の3人が芸能界を変えようとしている。AbemaTVの『72時間ホンネテレビ』が、今日11月2日の21時から始まるところだ。
思えば昨年、SMAP解散“疑惑”が表面化してから、一時は解散することなく5人のSMAPが存続していくかのように思われた。しかし冠番組『SMAP×SMAP』で彼らが神妙な面持ちで謝罪をしたことで、「本当はSMAPとしてジャニーズ事務所を辞めたいのに、辞めさせてもらえないのでは?」と多くのファンが疑念を抱き、8月に解散が正式発表されてからは、どのような内輪モメがそこにあったのかスポーツ紙、週刊誌の報道合戦が止まなかった。
根幹にあるのはSMAP結成時から彼らをタレントとして育成したチーフマネージャーと、メリー喜多川氏・藤島ジュリー景子氏との諍いで間違いないだろう。飯島氏がジャニーズ事務所を退社してからのストーリーが枝分かれしているのだ。木村拓哉(44)が飯島氏と他のメンバーを裏切った説、ジャニーズ事務所への恩を忘れた独立組……様々な見方が出た。傍観者である我々はそれぞれ、信じたい説を信じる以外ない。当事者であっても、起こった出来事の原因や経緯を同じように感じてはいないだろうし、視点(立場)によって見え方は違ってくる。
『72時間ホンネテレビ』はその名の通り彼らが“本音”を明かすのかが期待されているが、この生放送番組でもっとも本音をぶっちゃけてしまいそうなのが、草なぎ剛である。
草なぎが「Oggi」(小学館)で2014年から連載してきたコラム『絶対的好感論』が、発売中の12月号で最終回を迎えた。毎号テーマに沿って語り下ろしてきたこの連載の最終回テーマは「働く」。最新の草なぎ的仕事論には、すでに“本音”が散りばめられている。
『ここ数年は特に“働く”ことについて考えさせられることが多かったように思う』という草なぎは、SMAP解散とジャニーズ事務所退社について、こう語る。
『僕自身の環境が大きく変わったし、後ろから頭を殴られるような思いをすることも少なからずあって、正直キツいと思うこともあった』
これはなかなかショッキングな表現だろう。環境が大きく変わったことは紛れもない事実だが、「後ろから頭を殴られるような思い」についてはファンが常々心配してきたことだ。円満解散、円満退社ではなかったことがはっきり伝わってしまう一文である。
しかし草なぎはこう続ける。
『信頼できるパートナーの存在が本当に大きな力になった』
『ひとりで身動きがとれなくなってしまったときでも、いいパートナーと一緒にいるだけでどんどん新しいアイディアが生まれてきたんだよね』
『仲よしこよしの半端な関係じゃない、人生を共に出来る“ビジネスパートナー”がいてくれたから、「もう一度やってみたい」と決断できた』
『働くうえで重要なのは、尊敬し高め合えるパートナーがいることだと、僕は今実感しています』
『僕はそうして得た最高の仲間と今日もまた思うんです。「よし、めいっぱい働くんだ!」って』
ここでいうパートナーとは、「新しい地図」のメンバーである香取と稲垣、そして集ったクリエイターやスタッフのことだろう。ジャニーズ事務所を離れた新体制で仕事をしていくことに、大きな充実感や期待を持っていることは間違いない。
一方でジャニーズ事務所への憎悪が渦巻いているわけでもないだろう。欄外のプライベート写真コーナーで、原宿の交差点をジャニーズ事務所のオーディションを受ける際に来た思い出深い場所だと紹介し、『僕をここまで育ててくれた事務所や、ジャニーさんにはすごく感謝しているんだ』とコメントしている。
「新しい地図」での活動について、ジャニーズ事務所からの妨害があることが推測されているが、希望に満ちた草なぎたちの勢いを止めることは難しいだろう。芸能界もテレビも、そこまで従順で臆病な人間の集まりではないはずだ。
ちなみに『72時間ホンネテレビ』への意気込みについて、彼らは「テレビブロス」(東京ニュース通信社)でも語っているのだが、リーダー的役回りを担う香取は、「草なぎの暴走が怖い」と明かしている。
『あの男、珍しく熱くなってるんですよ。しかも、これまた珍しくちゃんと考えてる。でも、だからこそ怖いんですよ(笑)』
当の草なぎ本人は飄々として、『どんなに緻密に打ち合わせをしたところで、最終的に大事なのはライブ感だからって教えてあげたいですね(笑)』。
そして稲垣は冷静に、『僕らが「新しい地図」で発信しているメッセージが、世の中の温度や気配とちゃんとリンクできている』と分析。
綿密な打ち合わせを重ねて計画を練る香取、思いきりの良い草なぎ、俯瞰的な目線を持つ稲垣。ベストパートナーたちによる72時間の生放送が楽しみである。
(清水美早紀)