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ハプニングバーはなぜグレーゾーンなのか? 店側が講じている摘発対策

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Photo by Andrey Desyatov from Flickr

 10月24日、東京・上野の老舗ハプニングバー「私のハーモニカ」が摘発されました。ニュースによれば、客同士がわいせつ行為を見せ合うなどの“公然わいせつ幇助”の疑いで同店の経営者及び従業員が警視庁保安課に逮捕されたそうです。11月2日発売の「フライデー」(講談社)には、摘発の現場に居合わせたという常連客の証言が掲載されています。

 24日の22時すぎ、店の中では男性2名と女性1名がほぼ全裸の状態でお互いの性器を触り合っていて、周囲にいた店員や客もその行為を煽っていたそう。そろそろ“ハプり始める(セックスする)”か――というタイミングで、店の隅に座っていた単独男性がその光景をカメラで撮影し始めた。ハプニングバーの店内は撮影禁止なので、店員らが激怒すると、その男性は「現行犯だ!」と叫んだそう。その男性は、証拠を押さえるために店に潜入していた捜査員だったのです。その叫びと共に、数十人の捜査員が店内に突入。従業員だけでなく、行為をしていた3名の男女も公然わいせつ容疑で逮捕されました。

 ハプニングバーの摘発は過去にも数回あって、上野だけでも2014年に「KUNKUN」、2015年には「Dark Night」が摘発されています。「私のハーモニカ」は、かつて「KUNKUN」だった場所で営業されていました。いずれも、公然わいせつ幇助の疑いで経営者などが逮捕されています。

ハプニングバーはグレーゾーン

 そもそも、ハプニングバーは法律上「グレーゾーン」です。私はハプニングバーに通っていただけの客なので、内情に詳しいわけではありませんが、ハプニングバーは通常のバーと同じく、深夜酒類提供飲食店営業、風営法2号などの届け出をしているはずで、店内でセックスすることの「許可」は得ていないのです。“そういう行為”ができる場所としてまかり通っていますが、現行の法律では「性風俗特殊営業」には当てはまらない業態で、通常のバーと同じくお酒を飲む場なのです。

 なので、その場所で性器を露出したり、わいせつ行為を行ったり、行為を煽ったりすると、公然わいせつ罪や公然わいせつ幇助罪に当てはまってしまうというわけです。各店舗のHPをよく見ると、そういう行為を行えるとはどこにも書いてありません。あくまでも、“さまざまな大人な集まるフェティッシュバー”という風に説明されています。

ハプニングバーはいつ摘発されるか分からない

 摘発に対して、店側も対策を講じています。あやしい人物を入れないために入店前に身分証を確認したり、会員制バーにしていることがそのひとつでしょう(これは18歳以下を入店させない対策でもあります)。また、出入り口を二重の扉にしている店も多いです。客がインターホンを鳴らして、従業員が内側からカメラで姿を確認してから施錠する店もあります。また、店内が広い場合、入ってすぐのゾーンでは“絶対服を着る”よう厳しく指導している店もあります。

 私が通っていた某店では、店のマスターが「警察と仲が良いから大丈夫」と、にわかに信じがたいことを言っていましたが、正直な話、ハプニングバーはいつ摘発されるか分からない遊び場であるのは確かです。

 客側の私たちに出来る対策は、その店が摘発に対して危機感を持っているか見て判断すること、そして究極は店内で脱いだりせず、他人のプレイを「見るだけ」に留めること(それでも摘発された場合、逮捕される可能性はゼロではないですが)。何が起こるか分からないハプニングバーでは難しいかもしれませんけど……。

月島カゴメ

アニメもゲームもBLも嗜む雑食系オタク。最近はキッズアニメ(プリパラ)を見ている時が一番楽しい。オタクのくせに変な行動力がある。なお、貞操観念はほぼない。元風俗雑誌編集で元ホス狂い。

twitter:@kaaagome_