始めは義妹のお説に従っていたM子さん。しかし次第に甘いものを制限されるストレスや、シャンプーを使わずお湯のみで洗髪する気持ち悪さ、気温が高い季節でも靴下を重ね履きする不快感が蓄積され「こんなものを信じていいの?」と、やめたそう。
M「その後Twitterで森戸やすみ先生※に出会ったことで義妹の主張はほぼトンデモだとわかり、すごく気持ちが楽になりました。その反面、義妹に育てられている子供が心配でなりません」
※小児科医ママ。さくらが丘小児科クリニック勤務。Twitterや書籍、オンラインサロン等で、真偽の分からない育児情報に振り回され不安になる母親たちのため、役に立つ情報を発信している。
常に機嫌が悪い赤ちゃん
M子さんの義妹は現在、自然派育児を広めるための起業を準備しながら、2歳の子供を育児中だそう。その育児法を教えてもらうと、巷でよく耳にする〈過激な自然派〉と呼ばれるものを、ほぼコンプリートしている状態です。
・白いものは基本〈毒〉と考え、白砂糖、米、小麦、牛乳などは一切食べない
・離乳食は意味がないから与えず1歳まで母乳のみ、1歳からは大人と同じ食事を与える(その〈大人と同じ食事〉は、実際に食べたM子さんいわく「まったく味がなく、本当においしくない」とのこと)
・粉ミルクは人工的に作られたものだから、害である。母乳はできれば10歳くらいまで飲ませたい
・予防接種はすべて受けさせない。風邪をひいても、病院へはいかずアロマなどで完全自宅療法
・お風呂は最低1時間つかる。長い時は4時間(義妹家では、その間子供は泣きっぱなしで、周りが「あがらせたら?」と声をかけても、「放っておいてよ!」と怒鳴り返されるそう)
・経皮毒※を避けるため、シャンプーは月1回。体や食器は基本お湯のみで洗う
・同じく経皮毒があるので、使い捨ての紙おむつはNG。おむつは布限定
・冷えるので、素足厳禁。夏でもタイツに靴下を重ねて履く(大人も子供も)。
・食材は無添加、無農薬の国産限定。放射能の心配があるから、国産でも福島産はNG(ちなみに義妹さん家の食費は月10万円)。
※シャンプーや紙オムツなどの日用品に含まれる有害な化学物質が、皮膚から吸収されるという主張。
M「このような育児法で育てられている義妹の子供は、常に顔が真っ赤で肌荒れしています。小柄で顔色が悪く、夜泣きもひどいという話で、私が見た時にたまたまそうだっただけかもしれませんが、機嫌がいいところを見たことがありません。義妹の子供が0歳の時は、オーダーメイドの冷えとり靴下を持参していたんですけど、洗ってはいけない素材だそうで、すごい臭い。夏だったのに赤ちゃんも重ね履きをさせられていて、大泣きしていましたね……。え!? 赤ちゃんってこんなニオイだっけ!? と戸惑うほど、異臭が漂っています。わきがみたいな刺激臭というか」