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満島ひかりは業界の慣例を無視するワガママ女優なのだろうか?

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満島ひかりInstagramより

満島ひかりInstagramより

「女性自身」(光文社)が、女優・満島ひかり(31)について「特別扱い」を求める「高慢」女優であると記事にしている。彼女の「ワガママ」による「ドタキャン」騒動があり、周囲は困惑、「二度と一緒に仕事をしない!」と怒る関係者までいるというから穏やかではない。

  一体何があったのかというと、1025日から113日にかけて開かれていた第30回東京国際映画祭での一幕が問題視されているようだ。映画祭の特別企画「Japan Now 銀幕のミューズたち」で、同学年女優の宮崎あおい(31)、蒼井優(32)、安藤サクラ(31)と共に4人で映画祭のPRを担っていた満島ひかり。しかし、満島だけが他の女優たちとは違う“要求”をして周囲を振り回したのだという。

  ひとつはポスター撮影で満島だけが、納得のいく出来ではないという理由で撮り直しを希望したこと。「その話を聞いたほかの女優さんたちの事務所」からは、なぜ満島だけ撮りなおすのかと不満の声があったという。何かにつけて、他3名の女優とその事務所は異論なく従っていたのに、満島サイドだけが文句をつけてくるから大変だった……という話のようだ。

  メインは、映画祭のオープニングセレモニーでの「ドタキャン」。何を土壇場でキャンセルしたのかというと、某テレビ局による4人のインタビュー取材だそうだ。満島はインタビュー取材を受ける条件として「4人全員、レッドカーペットとは別の衣装に着替えて受ける」と言い、さらに映画祭2日前には「本人がレッドカーペットに集中したいと言っている」との理由で取材キャンセルを申し出、すったもんだの挙げ句、取材はナシになったそうだ。

 これだけを読んでも、満島ひとりの責任だと断罪し、ワガママ姫女優のレッテルを貼るのは無理があるように感じた。また、安藤サクラも満島と同じ芸能事務所に所属しているにもかかわらず、「女性自身」のバッシング記事ではそのことが何も考慮されず、満島サイドvs宮崎・蒼井・安藤の事務所サイドという構図が描かれていることも不思議だ。

 写真の撮り直しに関しては、他3名の女優たちが出来栄えに文句がなく、満島だけが仕上がりに不満だったのであれば、満島だけ撮り直し要求をすることも何らおかしくはないと思うのだが、これを批判するのは、「彼女だけずるい」という感覚を抱くせいなのだろうか。

  そして映画祭でのテレビ局取材については、関係各所の伝達がスムーズに出来ていないところが大きいのではないか。満島サイドから何らかの要求があったにしても、それを右から左に渡すように他事務所に伝えていては当然、困惑は広がるだろう。確定していない事項なのにどんどん話を進めようとするとこういうことになる。また、満島は「基本的に演技以外の仕事はやらないスタンスで、舞台に主演してもPRにはほとんど協力しない」というテレビ局関係者のコメントがあるのだが、それなのに「番宣や取材をドタキャンするのは初めてではない」とあることにも首を傾げたくなる。そもそもPRに協力しないと事前公表している女優なのだから、それを念頭において他の出演者で宣伝部隊を組めばドタキャンも何もなくなるのではないか。それとも、満島サイドが「協力しません」と伝えているにもかかわらず、第三者が勝手にPR出演の約束をし、出る出ないで揉めたことがあるのだろうか。

 芸能界の慣習として、女優や俳優は作品づくりだけでなく、公開にあたっての宣伝にも全面的な協力をすることが望ましいとされている。ゆえにテレビバラエティのゲストには、常にその時期に公開されている映画のキャストや、自局放送ドラマのキャストが出演し、告知を行う。告知のためのバラエティ出演が当たり前になっており、テレビ番組そのものが広告と化している。

 しかし満島は「告知は、自分の仕事の範囲外」と線を引いている。ただでさえ「私はこうです」と我を通すタレントはバッシングの憂き目にあう芸能界において、一線を引く満島は浮いているのかもしれない。彼女に対して、思いやりのない女だと不満をぶつけたくなるスタッフもいるのだろう。だが、この記事を読んだところで、満島がとりわけ自分だけ特別扱いを望む高慢な女優には見えない。彼女が女優として提供しようとするものと、インタビューを予定していたテレビ局スタッフ側が望んでいたものがおそらく違ったのだろうということだけは、よくわかる。

(清水美早紀)