連載

食欲を我慢できない人は、性欲も我慢できない? 食とセックスのエロい関係

【この記事のキーワード】
momoco209a

食欲と性欲の関係。Photo by Christian Benseler from Flickr

 仕事の都合で数日間、遠く離れた土地に滞在いたしました。そんな時の楽しみといえば食ですよね。私は日ごろから飲食店の種類を問わずひとりで食べにいくのが平気なタイプなので、ここぞとばかりにあちこちのお店に行き、帰りの新幹線でも地のモノとビールで晩酌キメておきました。おかげで腰回りがむっちりと……。まあ、今回はしょうがない。体重増加はたしかに恐怖ですが、それでも、その土地でしか食べられないものを我慢する理由にはなりません。

 性の道を極めたある女性が、「私は太った男性が好き」「そういう人は“欲”が強いから」「食べ物でもセックスでも、目の前にあるものを我慢できない人ってエロいじゃない?」というのを聞いて、深く頷いたことがあります。古くから多くの人が食と性、そしてそれに対する欲望について相通じるものを感じ、芸術面や文学面でも表現してきました。つまり食欲の秋は、性欲の秋。

 お腹がいっぱいに満たされて、さらには性欲も満タンになればこんなに幸せなことはありません。私はかねてから、食事→ホテルという流れに疑問をもっております。デートでは鉄板のパターンですよね。お腹いっぱい&ほろ酔いになれば、今度はもうひとつの欲である睡眠への誘惑に抗うことができなくなるのです。だったら腹8分目を心がければいいのですが、そこはホラ、目の前にあるものを我慢できなくて。だから、ホテルでがっつり満たされた後にご飯……というのが私にとってはベストです。まあ、かなり慣れ親しんでからでないと提案しにくいですけどね。

うっとり写真に「欲」を見る

 そんな私の目に止まったのが、『ごはんとセックスのおいしい関係 かよめし ナチュラルセクシー』(みらいパブリッシング)という1冊。自炊はするもののレシピ探しはもっぱらネットで、という私としては、料理についての本を買うこと自体珍しいのですが、そこはタイトルに惹かれたわけです。そりゃ買うよね~。

 しかし期待は1ページ目から盛大に裏切られるのでした。のっけから、かよちんこと著者のきむらかよ氏のグラビアで始まるという意外性! 料理本は買わないと上記しましたが、人気料理家さんの本にはご本人の写真が掲載されることが珍しくないことぐらいは知っています。でもでもそれって大抵は、お料理をされている姿やキッチンで微笑んでいる姿、作ったものを食べている姿じゃないですか。

 ところが、きむかよ氏の場合はベッドでうっとり恍惚顔を浮かべている姿のお写真が乱発……ああ、ごはんとセックスのおいしい関係ってそういうこと? ナルシシズム溢れるお写真の数々はたしかにエロいんです。でもそれは、食と性の関係を表現しているからではなく、それを語る“私”こそを見せたいのだという強烈な“欲”が感じられるからです。冒頭で紹介した通り、欲ダダ漏れの人はエロいのです。

1 2

桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

@_momoco_

Facebook