
高橋祐也の真実真正日記より
三田佳子(76)という人は、やはり恐ろしいほどの存在感を放つ女優だ――。筆者は、2017年の春クールに放送されていた連続ドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日系)の第一回目の放送を観たときに改めてそう感じた。三田は天涯孤独の老人・白河民子に扮したのだが、最初観たときにはすぐにそれが三田であるとわからなかったほど地味でひどく年老いた見かけであった。ぼさぼさの白髪頭に化粧っけのない顔。生きるのに疲れた老女のようにしか見えなかったのに、主演の天海祐希と取調室で対峙するクライマックスで空気は一変。女の情念をにじませる、凄みある演技を見せたのである。筆者はこのドラマを全話通して鑑賞したが、結局は三田出演のこの回が一番印象に残っている。
テレビ画面やスクリーンの中では女優の中の女優といえるような特別な存在感を放つ三田だが、その私生活は次男に振り回されっぱなしである。三田の次男は元俳優でミュージシャンの高橋祐也(37)。これまで覚せい剤がらみで3度の逮捕歴がある。一度目の逮捕は高橋がまだ18歳で高校在学中だった1998年のことであり、当時の三田は人気絶頂で高い好感度を誇る大女優として映画やドラマで活躍中であった。だが次男・高橋の逮捕で一転、三田は世間からバッシングの対象になる。というのも、三田は高校生の息子に月50万円の小遣いを渡しており、三田夫婦が高橋を極度に甘やかしていたことが発覚したためである。
息子の逮捕の後、三田はCMをすべて降板、10カ月間女優活動を自粛した。初犯で未成年だったため高橋は保護観察処分となったものの高校を退学している(のちに大検で大学に進学)。そして、覚せい剤取締法違反で二度目の逮捕となったのは2000年10月のこと。このとき、三田一家が住んでいた豪邸の地下室では高橋主催の“覚せい剤乱交パーティ”が夜な夜な開かれ多くの芸能人が参加していたとして、当時活躍中のグラビアアイドルの名前などが大々的に報道されたのである。高橋は懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受け、その後は演出家の唐十郎が主宰する「劇団唐組」に入団し舞台に出演。唐組退団後の2004年にはVシネマで主演を果たしている。
三度目の逮捕は2007年だった。コンビニのトイレで覚せい剤を吸引していた高橋の様子を不審に思った店員が警察に通報。駆け付けた警察官に路上で職務質問をされ逮捕されている。母親である三田は一度目と三度目の逮捕の際には会見を開いており、三度目の逮捕では「彼も少年ではないので親としてかかわれる限界はあります。心の中では放り出して当然という気持ちもある」と発言するものの、それでもまだ月70万円のお小遣いを高橋に与えていたことが発覚し、再び世間のバッシングを受けたが女優活動の自粛には至らなかった。もうCM契約もなかったし、連ドラ主演もしていなかった三田、年齢も当時66歳であり、わざわざ「自粛」することはなかったのだろう。
だから若い人には、三田佳子が“大女優”だといっても、あまりピンと来ないのかもしれない。まして、二世タレントが続々と芸能界に放たれている今、テレビに出るわけでもない三田の次男についてなど、大半の人は忘れていただろう。三度の逮捕を経て、高橋は2010年2月に一般女性と結婚、9月に誕生した第一子はもう7歳だ。高橋は自身のブログ「高橋祐也の真実真正日記」に生まれたばかりの長男の写真を何枚もアップして溺愛ぶりを綴っており、そのブログでは「近頃仕事で奔走して居りまして、帰ると疲労困憊の状態でした。現在三つのビジネスを平衡してやって居りますので勉強には成りますが、毎日帰宅が深夜の状況です」などと精力的に働いていることも明かしていた。ちなみに三つのビジネスとは、映画プロデューサー、大物投資家と組んだブランド品販売、洋服関係だそうである。2011年3月に投稿された上記『疲労困憊』記事を最後にブログの更新は途絶えているが、この記事には716のいいねと34のコメントがつき、中には熱狂的な高橋ファンと思われる熱いコメントもある。どうやら彼にもファンはいたわけだ。
それから6年が過ぎ、三田ももう76歳、高橋は37歳。最初の逮捕から20年が経過し、もはや今さら高橋が何をどうしようと騒ぎになることもないだろうと思いきや、11月21日発売の「女性自身」(光文社)が「過保護な母また泣く不祥事! 次男が愛人に不倫暴行」との見出しで記事を掲載している。このタイトルなのは、三田がヒロインの祖母役で出演したドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)に引っかけているのだろう。
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