
Photo by Mislav Marohnić from Flickr
女性の非常に敏感な性感帯・クリトリスの基本的な触り方は、マウスをクリクリする程度が適当です。クリトリスはとても敏感な場所であり、“ゆっくりと優しく”触ることが大切なんですよね。
では。膣の中を指で刺激する「手マン」や、ペニスを挿入&ピストン運動する際は、どうでしょうか? とにかく膣内を触れば女性は喘いで感じるものだ、と思っている男性はどれだけいるのでしょうか。経験上……、相当数いますね! 私が一線交えた相手がたまたま、でしょうか。だがしかし、実際に手マンや挿入で反応のない彼女に対して「カラダ、おかしいんじゃない?」と聞いてしまう男性がいるっていうんですから、膣内=性感帯と思っている男性が少なからずいるということです。
膣の中は「鈍感」です
まずは膣のことを簡単にお伝えします。実は、膣の入り口付近は感じやすい部分ですが、膣の中央から奥へ向かうほど鈍感になっていきます。そもそも、膣の内部は出産時に赤ちゃんが通ってくる場所。もし神経が集中して敏感な構造だったら、出産で激痛が走ってしまいますよね。出産時でなくとも、婦人科で子宮頸がん検診で、膣の奥の方を綿棒のようなものでグリグリされるのですが、「何かが触れてる?」くらいなもので、ほとんど何も感じないです。人によっては、この時に痛みを覚えたりもします。少なくとも「気持ちいい!」には繋がりません。
「え、でもAVでは男優さんの手マンテクニックで、女優さんは気持ちよさそうじゃ~ん!」
そう見えますよね。何度でも言いましょう、AVは演出であり、セックスのハウツー映像ではございません。AV界のレジェンド・加藤鷹さんも手マンが演出であると明かしています。
▼レジェンド・加藤鷹が語る、AVを真に受ける男としょぼいセックスをする女たち/インタビュー
<なぜAVで手マンが生まれたのかというと、「本番はしません」という女優さんが半数以上いた時代があるんです。「擬似セックス」が主流だったんだ。ちんこを挿れちゃダメとなると、挿れてもいいものは……指! と。それが手マンのはじまり。「擬似セックス」は、ぐにゃぐにゃのちんこと土手が、パチパチとぶつかっているだけの行為でしょう? リアリティがないし、長持ちしないよね。で、リアリティを出すなら、前戯で盛り上げるしかなかったわけ>
膣の中にある2カ所の性感帯
とはいえ、「手マンされると気持ちいいんですけど?」「挿入最高ですけど⁉︎」と反論する女性も当然いるはずです。十分に迎え入れの体制が整っていれば、確かに気持ちがいいのです。
膣内にも「性感帯」と言われるところがあります。ご存知の通り、膣口から3~5cm奥にある「Gスポット」と、も~っと奥の子宮口付近にある「ポルチオ」です。
ただし、この「Gスポット」や「ポルチオ」も、ピンポイントで刺激したからといって、いきなり「そこ~!」と感じる部分ではありません。土台を「開発」していくことが重要なポイントです。
といっても、一方がテクニックを磨き上げればいいという単純なものではありません。男性側は、手マンであれば指先のテクニック、ペニスの挿入であれば挿入時の角度や動かし方のテクニックがあります。全く感じていない膣内をグリグリと手で刺激しても意味がないのです。意味がないどころか、痛みを感じる、さらには傷つき出血してしまう女性もいます。
手マンは繊細な行為
手マンの際、2本、3本と太くしていけば女性が気持ちいいはずだという誤解もありますが、それは思い込みです(「太さ」にこだわる人、多いですよね~)。実際は、利き手の中指1本で十分(中指は動かしやすいことと、奥にあるポルチオを刺激できる可能性アリ)。コミュニケーションしながら、1本の指で優しく繊細な動きを続けることが、的確なスポットを刺激する近道だと思います! スポットを探るどころか、ガッシガシ動かすのは厳禁です。
男性のテクニックというのも、「習うより慣れろ」精神で体感していくしかありません。「AVではこうしていた」「これが気持ちいいはず」という思い込みは捨てて、目の前の女性の反応を見ながら、コミュニケーションを取りながらするのみ! だと思っています。
これはペニスを挿入してからも同じです。挿入してテンションが上がって激しいピストンをする男性がと~っても多いのですが、挿入直後もペニスをなじませること、ゆっくり動かすことなど、相手の反応とコミュニケーションが1番!
▼セックスでスムーズに挿入するための注意点は?「挿入直後は動かない」がコツ
▼挿入時のピストン運動、大きな快感を呼び起こすのは「突く」より「ゆっくり引く」!
リラックスと脳への刺激
女性側が、本来鈍感な部分が性感帯へと「開発」の扉を開く重要なポイントはなんでしょう。精神的なリラックス状態と「気持ちいい」と脳が認識すること。これが重なった時に快感になるわけです。つまり、女性が快感を得ている時って、精神的なものがと~っても大きいんです(精神的なもの=別に相手のことを好きだという感情を示すわけではありません)。
ペニスの挿入でオーガズムを感じている女性は3割程度だと言われていますが、たっぷりの前戯や愛撫で興奮していることで、挿入して奥のほうに入ってくることも「気持ちいい」と感じるものなんです。そして、女性側も、開発して快感スポットを認識した部分は敏感になりますし、強烈な快感を得ることができます。
では、どうすれば女性に精神的なリラックスを与え、“気持ちいい”へ導けるのでしょうか。それは……挿入前の! クリの愛撫の前! おっぱいを触る前まで遡ってください。ハグやキスこそが、なによりも大事な行為だと思います。挿入するまでの、なんとなくの通り道ではないんです。そこ、めちゃくちゃ好きな相手というわけじゃなくても、お互いに「ときめき」を得て盛り上がる最重要ポイントだと思います。