男性が抱いている幻想的な「淑女」を叶えつつ、ちゃんと相手を気持ちよくしているなぁと思う瞬間を考えてみました。そこにあった答えは、露骨なプレイ(積極的なフェラ・言葉責め・騎乗位・アクティブに動く……など)ではなく、自分の中の“何か”が動いている時でした。相手はきっと気づいていないんじゃないかと思うくらいのさりげない所作が、実は「主導権をとっているのはあなたではない」という抗いとも思える行為。これ、共感してもらえるかなぁ。
例えば、挿入中に「ぎゅっ」と膣内に力を込めるさりげない意識もそうだし(目に見えないけど、相手に“気持ち良いよ”と伝えている行為)、喘ぎ声の強弱をつけることだってそう。無駄に「イク」を連呼するのもそう。正常位中に相手の背中に爪をたてるのも、じっと目を見つめるのも、挿入する角度を変えようと足を伸ばしたり閉じたりするのも同じ。
好きという気持ちが加味されていることもあるけれど、それ以上に「こうしたら男性は気持ちよくなるのではないか」「わかってくれるのではないか」と試しながら探っている瞬間でもあるわけで、そういうパフォーマンス自体を「相手を煽っている」「空気を作っているなぁ」と思ってしまうのであります。
女性が変幻自在なカメレオンになりすぎているあまり、男性は見落としてしまうような些細なところでのアピールではありますが……細かな変化をつけることができるのは女性特有の器用さでもあるわけですから、ばれていないというところでは“一枚上手”なのかもしれません。
女性の「セックス中は男がひたすら動いていればいいのさ」と突き付けるおざなり感も、実は、裏の主導権――「それでもあなたの快感を握っているのは私なのよ」――の誇示のようにすら感じるし、でもこれ、考えすぎかな、どうなのかな。