
平成も来年で終わりか~/「細木数子の【六星占術】平成30年版 あなたの運命 開運の箱 」ベストセラーズ
細木数子(79)は、おそらく今なお日本でもっとも有名な占い師だ。独自で生み出した<六星占術>が1980年代後半から一世を風靡する大ヒットとなり次々と本を出版。本が大ヒットしてからというもの自身も積極的にメディアに露出し占いや人生相談を行うようになる。細木が出演した番組は軒並み高視聴率をマークしたことから一時は「高視聴率の女王」とも呼ばれるように。「ずばり言うわよ、いいね」「地獄に落ちる」「馬鹿やろう!」など、歯に衣着せぬ物言い(というか、暴言)で人気を博した。その著書は100冊以上に渡り発行部数は合計で9300万部を超えるそうである。たしかにいまでも本屋に行けば必ずといっていいほど細木の本を見かける。まだまだ根強いファンは多くいるのだろう。
1990年代、「六星占術」関連本がバカ売れしていたあの時代は、筆者の周りでも多くの人が細木の占いを盲目的に信じていた。「彼と別れる」「転職しようと思ってる」「引っ越しを検討している」――仲間内でそんなな話が出ると、必ずそこにいる何人かは「ちょっと待って、いま大殺界じゃなかった?」「ちゃんと調べたほうがいいよ」「大殺界のときに大きな動きをすると必ず失敗するから」など細木の占いを指針にして動くようにと大真面目でアドバイスをしていたものだ。筆者も雑誌の占いページは必ず読むタイプではあるが、読んだらそれで終わり。信じないし、ましてアドバイス通りに実行などしたことはない。それゆえ大殺界だろうがなんだろうがまったく気にすることなく自分の好きなように行動していたのだが、あの頃はきっと影で「ほら、大殺界だからうまくいかなかった」と陰口言われていたりしたんだろうなぁと思う。そんなの知ったことじゃないけれど。
さてそんな細木の最近の様子が11月28日発売の「女性自身」(光文社)に掲載された。細木は2008年3月に最後のレギュラー番組が終了してからというものの、メディア露出がない。六星占術に専念するためと言われていたようだが、同誌は彼女の激ヤセぶりから重い病気を患っていると予想し、終活を始めているのではないかと報じている。紙面にはかつてのふくよかな様子からは想像もつかないほどに痩せて小さくなった細木の全身写真が掲載されている。杖をついて歩いていることもあり「病気で体調を崩したとしか思えない」という近所の住民の証言なども載せているのだが……。
なんといっても細木はもう79歳だ。そりゃ病気だってするだろうし、杖ぐらいつくだろう。それよりも筆者がまず目がいったのはその足元である。細木はパンプスを履いている。それもコンフォートスタイルのものなんかではない。パッと見たところヒールが7センチほどある、つまさきがポインテッドトゥになった本気のハイヒールを履いているのである。細木より何十歳も若い筆者とてもうこんなに高いヒールは履けないというのに、細木はさらりと履いている。しかも片手には子犬を抱きかかえ、もう片方の手で杖をつきながら。この写真を見る限りでは、たしかに痩せてはいるもののまだまだ底知れぬ生命力を感じずにはいられない。
記事によると、細木は2年ほど前から開催する勉強会などで「私の余命はあと4年」と宣言していたらしい。ということは2年後のいま、彼女の余命は2年ということになる、というわけだ。ライフワークとしていた勉強会も今年7月で終了し、ホームページ上には「定期開催は終了しました」のメッセージが。ここ最近の彼女は養子をとるなどして後継者探しに奔走しており、昨年は事務所の代表取締役を務める男性が細木姓に改名した、と同誌は報じている。また東京・神楽坂の自宅付近で直撃取材を受けた細木は、記者の「引退されるのですか」の質問に「引退なんかしないわよ!」と返答。ずいぶん痩せたとの問いには「ずっと前からよ!」と答えている。「!」マークだらけの細木の返答を読む限り、相変わらずの物言いでまだまだ元気なように思える。
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