最近の細木はメディア露出こそないが本の出版には変わらず力を注いでいる。この状態ならなにもわざわざ<引退します>と明言する必要もないだろう。それこそ彼女の余命がきて力つきるその日まで書き続ければいいだけのことである。細木の占いが当たっているのかいないのか、それは占われた人の受け取り方でも違ってくるのであろう。信じたい人は信じればいい、それだけのことだ。
細木が何をもって自身の余命をあと数年などと宣言したのかわからないが、テレビで全盛期だった頃、彼女はしょっちゅう「あんた、このままじゃ死ぬわよ」といった脅し文句をタレントに向けていた。その言葉を突きつけられて後、本当に亡くなってしまった人もいたし、今もピンピンして健在な人もいる。細木の予言の信憑性はやはり何とも言えないものだ。
たとえば最近、過去に細木に「35~36歳で命の危険がある」と宣告されたある女性タレントが、それに近い時期に病気をしていたことをカミングアウトした。タレントの藤崎奈々子(40)だ。
藤崎は、2015年に15年5月に、「チョコレート嚢胞」の摘出手術を受けていたことを、11月27日付の「週刊ゲンダイ」で明らかにした。藤崎は以前から自分の体にチョコレート嚢胞があることは承知していたのだが、2015年2月に「ロケ先の沖縄で異変が突然やってきた」と話している。ロケ先で朝食を食べている最中に「死を感じるレベル」の腹痛に襲われたというのだ。
2007年放送の『ズバリ言うわよ!』(TBS系)で細木は「本気で言うわよ。言っていいの」と凄み、「今から6~7年先に、命の危険がある」と宣告。「あなたの愚かな生き方からそうなっていく。生きるのがイヤになっていく。それを止めなきゃダメだ」「35~36歳で『嫌、もう生きるの』っていう結末が来る場合もある」と、藤崎の自殺願望を示唆し、「35~36歳をキーポイントに自分を磨きなさい。そして35~36歳を出たらコロッと変わる。そうしないと命はもたない」と告げていた。藤崎は2016年に出演したバラエティ番組でこのときのことを振り返り「衝撃~って思って」とニコニコとは話していたようであるが、このときはもうすでにチョコレート嚢胞で死を感じるレベルの痛みを経験したあとである。これは細木の予言通りといえるのか……いや、やはりそこに因果関係はないのではないか。なにしろ、女性の30代はほとんど厄年と言っていいほどで、体調の変化に見舞われやすい年齢である。そして細木が予言したのは「自殺」で、藤崎が経験したのは「病気」だ。ちなみにチョコレート嚢胞は放置すれば癌化する危険もあるとはいえ、いきなり命を奪う類の病気ではない。
人の生き死には占い通りにはいかない。細木の「余命」も、実際のところはさっぱりわからないのではないだろうか。
(エリザベス松本)
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