香取慎吾のMC番組『おじゃMAP!!』(フジテレビ系)の11月29日放送回に、スペシャルゲストとして2002年放送の香取主演月9ドラマ『人にやさしく』メインキャストが集結した。極楽とんぼの加藤浩次、SOPHIA松岡充、そしてすっかり大人になった須賀健太。特に加藤はメインゲストとして登場し、香取とゆっくり酒を飲みながら語り合った。
加藤は2006年7月に相方・山本圭壱の淫行事件発覚により、コンビとしての芸能活動を停止する事態に陥っているが、そのときに香取がくれた言葉がありがたくて忘れられないという。「1回さ、借りがあるわけじゃないけど」「山本が事件起こしたとき、慎吾ちゃんがどこから聞いたかわからないけど俺の携帯に電話してくれたじゃん、俺はすげえ嬉しかった」と話した加藤。香取と加藤はもともと携帯電話の番号を交換していなかったが、香取は誰かから加藤の連絡先を入手して電話をかけ、「加藤さん、大丈夫っすか? 俺は加藤さんのこと応援してますから」と励ましたのだという。加藤はまさにそのとき「実は気持ち折れかけてた」が、「慎吾ちゃんの電話で『やんなきゃダメだな』って思ったところがある」「忘れられない。ありがとう」と深い感謝を表した。
ドラマで共演したからといって、超のつく人見知りでプライベートの友人はキャイーンと山本耕史のみという香取が、加藤と交流を続けていたことは意外かもしれない。ただ、このような交流があるからこそ、加藤は自身が司会する朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)で、あのような感情的な発言をしたのだろう。
それは11月23日放送の『スッキリ』が「エンタメまるごとクイズッス」のコーナーで、前日に行われた「GQ MEN OF THE YEAR 2017」授賞式のVTRを流したときのことだった。“今年最も輝いた男性著名人”に送られる賞で、今回はジャニーズ事務所を退所して「新しい地図」なるコミュニティを立ち上げた稲垣吾郎、草なぎ剛、香取をはじめ、レーシングドライバーの佐藤琢磨、俳優の長谷川博己と斉藤工、ロバートの秋山竜次、将棋の佐藤天彦名人、ミュージシャンの野田洋次郎の9名が受賞した。
しかし壇上の様子を映したVTRに、稲垣・草なぎ・香取の姿はなかった。授賞式での立ち位置はこの3人が中央であり、賞を主催する雑誌「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)最新号の表紙もこの3人。つまり今年の授賞式の目玉が稲垣・草なぎ・香取であることは間違いない。しかし『スッキリ』は、まるで3人がそこにいなかったかのように不自然な編集をして放送した。集合画では中央の3人を避け、両サイドの3人ずつをそれぞれ抜いた映像を組み合わせ、長谷川や秋山のコメント映像を流したのである。
これに違和感を覚えたのであろう“天の声”を担当している南海キャンディーズ・山里亮太が、「香取くんと草なぎくんと、吾郎ちゃんも選ばれてるのよね」と言及すると、加藤は「なんで(VTRに)いないの? なんだよ、それ」と発言。VTRを終えてスタジオが映されると、ダブルMCの近藤春菜は困惑の表情を浮かべ、加藤を頭を抱えるポーズをとっていた。ちなみに、その後の時間帯に放送された『PON!』でも、「長谷川博巳&斉藤工&ロバート秋山 男を語る」との見出しで、その3名のコメントをまとめたVTRを流しており、稲垣・草なぎ・香取について触れていない。
ジャニーズ事務所所属タレントの出演番組を多く持つ日テレだからこその、事務所への“配慮”なのだろうが、視聴者も当然、こうした扱いには違和感を覚えている。加藤が思わず吠えたのと同じように、「なんだよ、それ」と。事務所を去ったとはいえ、彼らが元SMAPとして高い知名度と多大なる影響力を持つことは自明。abemaTVでの『72時間ホンネテレビ』に数多のタレントがゲスト出演したことからもわかるように、彼らを応援する勢力は業界内にもある。加藤の属する吉本興業は同番組への参加を見送ったが、加藤個人としては彼らの味方でありたいのだろう。