
今年のトンデモ、出そろいました! Photo by Alan O’Rourke from Flickr
ついに2017年もあと残りわずか。この1年を振り返ると、スピリチュアルエッセンス漂うトンデモ物件が、政治の世界でも目立っていたような印象です。インパクトの強いものや、被害が大きそうな物件をピックアップしながら〈トップ10〉を勝手にランキングさせていただきましょう。
10位★「子宮系女子」筆頭格がついに地上波進出!
当連載でも頻繁にスポットを当てさせていただいている「子宮カルト」こと子宮系女子。その代表格である子宮委員長はる氏が地上波デビューしたことは、トンデモウオッチャーたちの間でそこそこ大きなニュースでしょう。出演したのは『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)。
さすがに番組内で「子宮の声」だの「カルマ粒」だの語るシーンはなく、美しい芸能人たちに混ざって、無難にニコニコしていただけという拍子抜けな感じではありましたがアウェイな場では仕方ないのかもしれません。常に「世間とずれがあっても後ろ指刺されても、自分軸で心の底から楽しいと思うことを!」と主張しているわりには、テレビだの映画だのメディアが絡むと大喜びで大宣伝する姿は、カルトの女王様らしからぬ小市民さを見せつけていました。
9位★来年は新勢力に!? 「膣系女子」誕生の予感
以前より〈膣ケア〉を異常に重要視する一派はいましたが、今年3月『ちつのトリセツ 劣化はとまる』(径書房)なる本が登場し、7月には天下の朝日新聞で取り上げられ、Amazonの「家庭医学・健康」ジャンルで1位へ躍り出ているという快挙に。すると多くの女性誌で、「膣の劣化を防ぐ会陰マッサージ」なるものがやたらと増加。6月には森田敦子著『潤うからだ (美人開花シリーズ)』(ワニブックス)なる膣ケア本も登場しました。
健康のバロメーターとなるパーツは他にもたくさんあるのに、なぜ子宮だの膣だの生殖器ばかりにスポットをあて「自分と向き合おう!」と謳われるのか、意味不明すぎます。その違和感は7月に桃子さんと対談でたっぷり語らせていただきましたので、ご興味ある方はぜひご一読を。
▼「健康のため」という言い訳がないと、自身の性や性器と向き合えない/徹底討論! 話題の1冊『ちつのトリセツ』がいかにトンデモ本か【1】
▼西洋医学への不信感に目覚め、“膣系女子”に転身した女性が放つ呪いの書/徹底検証! 話題の1冊『ちつのトリセツ』がいかにトンデモ本か【2】
8位★あの医師が、トンデモ保育園設立の準備中…
反医療を謳い、自ら「キチ○イ医」を名乗る内海聡医師こと〈うつみん〉が、なんと「保育園を作ろう」と寄付を募っているのです。目標額は1千万、500円でも1000円でも大歓迎だそうです。「残念ながら日本の保育園や幼稚園の多くはオワッテいます」という嘆きにより、うつみん基準で納得できる保育園を作るのだとか。その詳細はお次の通り。
「内海の理論や真弓先生の理論※を参考とし、ワクチンについては一切の強制をせず、給食は予算の範囲で安全なものを選択し牛乳を義務化せず、おやつも砂糖菓子ではなく自然なものを選択し、保育園内の空気はutsumion(オリジナルのマイナスイオン発生器)で清浄化する、ありがとうボトル(陶器のボトルにお茶を入れると、水素が発生するお茶ができるというトンデモ商品)のお茶をみんなで飲める、土にできるだけ触れる教育、親子のコミュニケーションセミナーの開催、内海によるミニ勉強会の開催、って保育園を最初は考えています」 ※薬を使わない自然派育児を提唱する小児科医。ちなみに当連載次回は、真弓医師のドキュメンタリー映画レビューを予定しています。
オカルト英才教育機関の設立、実現しませんように~。
1 2