
スピ界に君臨する女王! Photo by svklimkin from Flickr
年末の定番企画である「○○オブザイヤー」に乗っかり、当連載でもトンデモ物件にスポットを当てて勝手にランキング! 後篇となる今回は、いよいよ5位から1位の発表です。
▼10〜6位はこちら:「トンデモ・オブ・ザ・イヤー★2017」。子宮系女子に代わる新勢力誕生か!?
5位★「臍帯血」のトンデモ利用でついに逮捕者が
8月には、臍帯血販売会社「ビー・ビー」社長の篠崎庸雄、「表参道首藤クリニック」院長の首藤紳介らが、再生医療安全性確保法違反容疑で逮捕されるという事件がありました。
これは、へその緒や胎盤に含まれる血液の「臍帯血(さいたいけつ)」を無届けのまま患者に投与していたというもの。へその緒と胎盤から採取される〈臍帯血〉は、血液を作る幹細胞が多いことから、貴重な医療資源として白血病などの治療に使われています。しかし感染症や拒絶反応など、命に関わるトラブルも起き得るため、そう気軽には使えない法律になっています。
ところが両氏はこれを使用ルールを無視して無届のまま、アンチエイジングやハゲ対策にまで乱用していたというのです。首藤クリニックといえば、今年6月に死去した
4位★政策遅れの原因が、「三歳児神話」だと!?
「#子育て政策おかしくないですか」というハッシュタグのツイートが生まれた、自民党の幼稚園・保育園費用無償化政策。それに関するさまざまな疑問に対し、11月22日のAbemaTV『AbemaPrime』に片山さつき参議院議員が登場し、回答。そこで、聞き捨てならないものが……! 「自民党はもともと幼児教育無償化は公約にあげていたが、財源がないことや党内で〈三歳児神話〉が根強かったことから、保育園の無償化まで行かなかった」と語られているようなのです(参考記事)。
「三歳児神話」とは、子供の健全な成長のためには、幼少期(だいたい3歳まで)は専業主婦がつききりで育てるべしというお説のこと。しかしこれは、母親の役割を強調する、当時の国が作ったキャンペーンのようなもので、科学的根拠がないことはすでに判明しています。伝統的日本の子育てやら三歳児神話やら、トンデモレベルのお説が政策に登場すると、スピ情報を振りまくファーストレディの存在と相まり(1位の項ご参照)、怒りが湧いてきます。
保育園に預けて働くなんてけしからんからお金出さないもんね! でも世界の女性が活躍する支援には57億円出すよ!(※トランプ米大統領の長女イバンカ大統領補佐官が設立に関わったという、女性起業家を支援する基金・女性起業家資金イニシアティブへ、5千万ドル拠出を表明)という現状に、私の通う整体院の中国人女性までがこんなこと言ってましたよ。
「日本ってお金の使い方が本当に古い時代の嫌な男みたいだよね~。育児教育にお金使わせないで、アメリカの女性云々には大金をポーンとあげちゃうのって、奥さんには貧乏暮らしで苦労させて愛人には見栄張ってお金つかいまくるやつみたいだよね~」
ほんとにねえ。
3位★乳がん予防をにおわせる「美乳メソッド」とは
今年は
「小麦粉、牛乳、ヘアカラーは、乳がんのリスク!」
「発がん性物質を普段からばんばんとって、運動せず便秘は放置し、なーーーんも気をつけないで年に1回マンモグラフィーでおっぱいはさんで『なにもありませんよーに!』ってあーたそりゃ無理ですわ。。。。。(苦笑)」
そして、ポカポカ&フワフワのおっぱいを作ろうという「ふわふわ美乳をつくるワークショップ」(4時間16,200円)を爆推しです。うーん、乳がん予防で同意できるのは運動くらいですかねえ。〈おっぱいをフワフワに整えておけば、セルフチェックする時にしこりもみつけやすいよね!〉という切り口もあるようですが、乳がん予防の秘訣を教えます! 的なニュアンスが危険領域。経血も育児も何かもかも、自分の力でコントロールできると信じてやまない一派は、がんもコントロールしたるわい! とやる気満々です。
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