宮:あれ、小児科学会で著者に講演会させてるんでしょ? あえて聞いていないので、内容は知りませんが。
ノ:亡くなる前に母親がはなちゃんへ伝授した味噌汁によって、マクロビライフが継承されていくんですかねえ。もしはなちゃんが大人になってがんになったら、医療を拒否して同じ道をたどるのかな。嫌すぎる。
宮:はなちゃん一家とは関わりがないでしょうが、がんの治療でも、アンチワクチン本の近藤誠氏が、〈がんもどき〉とか〈どうせ治療しても死ぬから〉とか言いますね。
森:それを〈がんもどき〉とか〈どうせ治療しても死ぬから〉とかねえ。
宮:近藤医師の〈がんもどき〉論は、最初は半分あっていた面もあるんだけども、どんどん言っていることがおかしくなってきた。
ノ:医学界から冷遇されてもはや私怨になり、人の命を救うことより、医学界を叩くことが目的になってしまっている印象です。
嘘嘘嘘!
森:先ほどのアンチワクチン本、帯に書いてある項目だけでも、どれもこれも明らかにおかしいものがたくさん。
・乳児に7本同時接種で急性脳症→7本打つことはない。4種混合ワクチンを4本とカウントしている? そうだとしても急性脳症との因果関係は証明されていないはず。
・HPVワクチンで子宮頸がんは防げない→防げます。
・川崎病の発症に、BCGその他のワクチンが関与している→川崎病の原因は不明でワクチンは関係ありません。
ノ:本では、人類はこれまで医療なしに存続繁栄してきた。自然に備わる免疫力を信じろ! でも死んだら、自然の理だよねというようなことを言っているんですよね。何がしたくて医者になったんでしょう。
森:弱者を救わない方なんですね。
ノ:こういう本が登場したり有名人ががんで亡くなった報道が出ると、さらにトンデモ健康界が張り切りだすのもうんざりです。血流が悪いから、添加物を食べているから、運動しないから、日頃の不摂生が積み重なって癌になるんだ! と鬼の首を取ったように言いはじめる輩が~。
森:弱みに付け入る人たち、酷いですよね。
赤ちゃんの肛門にチューブを指して夜泣き解消?
編集者・O(以下、O):健康情報といえば、コリックの記事はみなさんどう思われますか?
ノ:あれですよね。11月頃でしたっけ。赤ちゃんが何をしても泣き止まない現象=コリック、日本でいうところの〈黄昏泣き〉はお腹にガスが溜まっていることが原因で、「イタリアでは、赤ちゃんの肛門に医療用チューブ(カテーテル)を挿入してガス抜きしている」という記事が広まって、方々から盛大にツッコまれていたやつ。
宮:イタリアでの風習ですよね、あれは。日本だと、風邪ひいたら首にネギを巻けという民間療法があるけれど、でもイタリア人がそれを知ってやるかといったらたぶんやらない。そういった類の話でしょう(笑)。文化的なものだと思うんですが、正しいかと言われればそうではない。
森:そもそも、コリックと日本のお母さんたちが困っている黄昏泣きが同じかどうかもわかりませんよね。なんで泣いているのかよくわからないのを黄昏泣きと言っているのかもしれないし、もう少し大きくなってから、おっぱいがないと寝つけないのを黄昏泣きと言っているのかもしれないし。で、それらがお尻にチューブ入れたら治るのかといったら、そんなことはない。
ノ:おっぱいほしくて泣いているのにお尻にチューブ入れられるとか、衝撃(笑)。
大:これさえ刺せば、ほら! って(笑)。多分ネットでは、黄昏泣きのことを言っているような気がします。
森:私の著書にも書きましたが、赤ちゃんは夜になると、お母さんの母乳を出すために、お腹いっぱいでも泣くという論文もあるんですよ。泣いておっぱいをもらい何度も吸うことで、お母さんの母乳を増やそうとしている。この説のとおりなら、チューブ入れても絶対泣きやまない。神経質な子どもが泣くのを黄昏泣き・夜泣きとする場合があって、それもお腹のガスは関係ないんで。
宮:夜泣きですと、生薬が効く子もいますよ。漢方薬の抑肝散(よくかんさん)とかよく効きますよ。日本では昔から、疳(かん)の虫って言いますよね。救命丸(きゅうめいがん)とかもよく使われます。