Queerライター・コウの「変態読本」
どうも、コウです。前回は、“オマモニア”こと御守りマニアのハヤシナオタケさんに、男根を祀っている三大チン社とその御守りについてお話を伺いました。
引き続き神社や御守りにまつわる変態ネタをドシドシ聞いていこうと思います。
▼前回記事
女性器モチーフの御守りってあるの？
――男根のお祭りや御守りは色々ありましたけど、女性器をモチーフにした御守りはありますか？
ハヤシ 女性器をモチーフにした御守りはありますけど、男根ものよりはかなり少ないです。女体に関する御守りは、「安産祈願」か「子宝授与」のご利益が多くなりがちですし。
――女性器は奉製しにくいとかあるんですかね？
ハヤシ うーん、“男根もの”は面白がって持てても、同じノリで女性器をモチーフにしたものを持つことは難しかったのかもしれません。チンコはお笑いになるけど、マンコはお笑いになりにくいっていうのは、もう御守りに限った話じゃないですよね。
――神聖視されたりケガレ扱いされたり、女性器の扱いは両極端ですね。拝受しにくい？ 人気が出ない？ なんて言えばいいんでしょう（笑）。
ハヤシ でも、女性器をモチーフにしてる御守りがまったくないわけではなくて……
表がマンコおかめ、裏がチンコ
ハヤシ このおかめは金山神社のもの。もう1つ、これも金山の御守りで般若です。
裏返すと…厳密には女性器…ではないけど、妙にエロい造形である
――わあ、女性器のディテール表現はないですけど、この内股加減というか、手の食い込み具合というか。絶妙にエロティックです。しかも、表面からは全く察しがつかない造形で、普通にビックリしました（笑）。
ハヤシ 恐ろしい女だけど、肉体的には一人の女性で、そこに異常な艶めかしさを秘めているってことかなと解釈しています。
女体ものだと、あとはオッパイ
――他にもありますか？
ハヤシ あとはオッパイものなら、女性器ものより多いです。
――オッパイはネタになるんですよね、マンコはならないのに。なんでなんだー。
ハヤシ そうですねぇー、あとは単純に、造形する過程を考えると、チンコやオッパイは作りやすいって側面もあるかも。棒状とか、半球とか。これとか、かなり単純。
乳首を自分で切って貼り付けるシステム…この工程の必然性とは。
――これは（笑）。乳輪の切り抜き方にセンスが問われますね（笑）。
ハヤシ ほぼ乳輪ないけど（笑）。
まるでSM地蔵
（御守りコレクションを物色しながら）
ハヤシ 「しばられ地蔵」ってご存知ですか？ SMっぽいんです。お地蔵さんだから、神社じゃなくてお寺なんだけど、僕が見に行ったことがあるのは、東京都葛飾区の南蔵院。御守りも絵馬もあります。
ぐるぐる巻きにされたお地蔵さん、表情には余裕すら…
――へぇー！ 確かに、見事な責められっぷりですね（笑）。
ハヤシ まぁ、いくらなんでも、流石にお寺が公式に「SMです」なんてアナウンスしやしないけれど、僕は「しばられ地蔵ってドMじゃん」と思ってます（笑）。お地蔵さんは人の身代わりになってくれますからね。ちなみに、お地蔵さんの横に縄がいっぱいかかってるのがまた、それっぽいんですよ。
――それはSMラウンジもさながらの光景ですね。境内で人も縛っていいのかな？
ハヤシ それはダメ！ NG！ お地蔵さん用ですから！ そういう意味の「どうぞご自由に」じゃないです（笑）。お地蔵さんに嫉妬しちゃうM男は沢山いるかもしれませんけど。それぐらい見事なしばられ地蔵ですよね。
――M男さんM女さんがお参りしたらご利益ありそうですよね。
ハヤシ ひっそりと “マゾの聖地”になってもいいんじゃないかと思う！ でもその場合のご利益って何でしょうね（笑）。
――「いいご主人様に巡り合えますように」と「いつまでも健康で、末永くSMできますように」ですよ。
ハヤシ もっと「どんな縛りにも耐えぬきます！」とか「責め地獄の先にある極楽浄土に行けますように」とか……。これで「打たれ地蔵」とかもあって、Sが鞭を打てる聖地みたいなのもあったらいいですね。阿吽みたいに、対で。
――それは、需要ありそう！ SMの趣味を秘めたる人、結構な人口いるはずですからね。Sだってスキル上達の祈願とかしたいかもしれないし。ちなみに、しばられ地蔵っていうのは、ここだけですか？
ハヤシ ここ以外にもう1社、茗荷谷のあたりにあるという噂を聞きますが、そちらも絵馬とか御守りまで奉製しているかはわかりません。
カワイイ顔して背面チンコのカッパ
ハヤシ 最後に、カッパを紹介させてください。御守りではないんだけど、これは見つけたとき感動しました。
後ろ向けて感動！ 可愛い顔して背面チンコですよ
――まぁ、これは何という裏切り……！ ちょっと、普通に可愛いですね。
ハヤシ 和歌山東照宮のものなんですが、家康がSEX好きだったことに因んでるのかな？ 他にチンコの御守りはないのに、これだけ和歌山東照宮の授与所で異質に光ってました。可愛いでしょ。
……ということで、いかがでしたでしょうか。私はすこぶる楽しかったですね。ちなみに、記事掲載にあたりお借りした画像は全部ハヤシさん撮影なのですが、前編に出てきた立ち上がるチンコはインタビュー時に撮影。引っ張ってビンビンに立たせることが出来たので、何かご利益あるかな……（笑）。
古今東西……いや、日本の今昔？ やっぱり日本人って変態ね。“変態文化の継承”という一見無駄な大成をしてくれた先人たちに、今日も感謝！ 無駄だけど、無駄じゃなかったー（こうして喜ぶ現代人が、少なくとも私とハヤシ氏、2人もいる！）ということで、今回のテーマはこれにて終了。
ではまた！
※紹介している御守りは、現在取り扱いのないものもございます
