はっきり「エロだけ書いていればいいんだよ」といわれたことはありません。でも、そこに不文律があることは強く感じていました。
ところが、messyでは何を書いてもいいのです。だから、自分が体験したレイプ未遂事件やセクハラ被害についても書けました。メディアにおける性表現にあり方について考えたり、セクシャルヘルスに関するリテラシーを掘り下げたり、女性の性器や生殖器がやたら神聖化される傾向への問題提起をしたり……まさに“書き散らす”という言い回しがぴったりだったと思います。
いずれも、非常に拙い提起であり、なかには個人的な思いを書き殴っただけのものも少なくありません。でも、私はそうした内容を「書ける」というその事実だけでもたしかな手応えを感じていました。
また会う日まで!
レイプ未遂について書いた当時は記事ごとにコメント欄があったので、私の落ち度を責め、自己責任だと糾弾する匿名コメントが多く書き込まれました。「エロいこと発信しているくせに、被害者ヅラして!」というような書き込みも見ました。まったくひどいセカンドレイプですが、悲しいかな、こうしたことを書く人はどこにでも沸くし、「●●のくせに」という●●の部分をいつも必死に探している人たちもいたるところにいます。たまたま私にはわかりやすい記号があったので、叩きやすかったのでしょう。
エロいことしてたってなんだって暴力をふるわれる謂われはないし、思うところをそれを理由に否定されるのもいい迷惑。書いているうちにそんな強さが少しは身についたのではないかと感じています。
「独り寝のお作法」と題しながら、そこから大きく逸脱したことばかり書いてきた連載は、これにて最終回となります。最後くらい、という言い訳を自分のなかに用意しながら、しごく個人的な思いをしたためました。これからもエロのジャンルだけでなく、いろんなことを書いていきたいと思いますがそのチャンスがあるのかどうか(笑)。
これまで長らくのご愛読、ありがとうございました。またどこかでお目にかかれますように。
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