
Photo by Mario Antonio Pena Zapat from Flickr
みなさん、クリ愛撫は好きですか? クリトリス(陰核)、それは女性の性感帯の筆頭としてとしてよく挙げられる部位です。よく男性誌などで見かける「彼女をイカせるセックステクニック」等の特集でも、クリへの愛撫の重要性が説かれていたりしますよね。
しかし、私が仕事の一環として周りの女性たちにセックスについて根掘り葉掘り聞くなかで、こんな意見があったのです。
「私、クリ全く感じないんだけど」
セックス中にクリを刺激されることについて、相手の男性の力加減が強すぎることにより「痛みを感じることも多い」とぼやく女性には今まで何度も会ったことがありますが、「全く感じない」と話す女性には初めて遭遇しました。
この「クリ無感帯説」について調べてみたところ、ネット上の某質問サイトでは、
「セックスの時にクリトリスが全く感じなく、彼におかしいと言われています」
「妻がクリトリスが感じないようなのですが、どうしたら感じてもらえるのでしょうか?」
といった質問が寄せられており、クリ無感な女性が一定数存在いることがわかります。
私にクリが感じないと明かした女性は、その原因を「畳やドアの縁を使った床オナのしすぎ?」と自己分析していましたが、人間は刺激に慣れやすい生き物であるがゆえ、強い刺激である床オナが通常のセックスでの愛撫を物足りなくさせるケースは確かにありそうです。男性には床オナのしすぎで膣内射精が困難になる場合があるそうですが、これは女性にも適用されるのかもしれません。
また、某美容婦人科の見解によると、クリで感じたことのない女性はクリの包皮が厚いことがあり、その包皮によってクリまで刺激が届きにくく、クリ無感へつながっている可能性があるそうです。ちなみに、クリの包皮は除去手術で薄くすることができ、お値段は15万円前後だとか。これを高いと思うか安いと思うかはかなり個人差がありそう……。
加えて、著書に『性技実践講座』(川出文庫)がある性科学の権威・山村不二夫氏によると、普段私たちが目にしているクリはクリ全体の3%程度でしかなく、残りの97%の部分は膣の内部に存在しているんだとか。この内部のクリを刺激するには、男性のアソコを根元までしっかりと挿入したまま腰を前後に揺り動かすといったピストンが有効だそうです。クリ有感派も無感派も、一度は試したい技ですね!
しかし、女性がセックス時にクリで感じなければいけないという理由は全くないし、性感帯は人それぞれ。膣で感じてもいいし、胸で感じてもいい。指先や鎖骨、腰骨、背中、内腿、肛門……「ソコを触れられるとじゅんじゅわ~!」なポイントは実は多種多様ですし、具体的な行為よりも、彼に抱かれていること自体に感じる人もいるはずです。「クリトリス絶対説」があまりにも浸透してしまった日本のセックス・シーンですが、そうではないという事実が広まっていくことを願います。
(リオネル・メシ子)