コメディエンヌはいりのこだわり
また、カメラアングルやライティングなどによる映り方を気にするかどうかの話題では、純さんは「あまり鼻の穴を映して欲しくない」とのこと。純さんに限らず、大体の女優さんが鼻の穴を映されるのってイヤだと思うのだが……。なんでも、純さんは怖い役を演じることが多くて、カメラマンさんが彼女の役柄を強く見せようと、ローアングルから撮ろうとする傾向になりがちなのだとか。けれども、それが演出とはいえ純さん的に女優としては「あまりかっこ良くないような気がする」と不満に感じているそうだ。それに対して、はいりさんはどうかと聞かれると、
「鼻の穴?(逆に)塗ってたことありますね」
と、コメディエンヌを通り越して、もはやお笑い芸人ばりのお仕事もこなしていたことを明かし、スタジオを大爆笑させていた。さすがはいりさん! あえて鼻の穴をデカく見せちゃうなんて、普通の女優さんだったらだいぶ勇気のいることなのでは? そんなはいりさんは、自分が人から変わり者だと思われる所以について、
「顔とか見た目と、“ほん(台本)の読み方”が、たぶん人とは違うのかなぁって思う」
と、自己分析していた。なんでも、台本を読む時に「どっか笑えるところないかな?」と、笑いどころを絶対に探してしまうのだとか。「そこの“間(ま)”を一個外したら可笑しくなるよね?」など、自分に問いかけながら台本に書かれていないことをアドリブで考えるそうだ。
もし、演出の方から「笑いは一切なしで」と断りが入った場合はどうするのかを聞かれると、はいりさんは「バレないように“笑い”を入れる」とイタズラっぽく答え、なんとしてでも自分なりの“笑い”をねじ込みたいという願望でいっぱいなのであった。
それは、「人を笑わせてウケたい!」というものとは少し違うらしく、自分が与えられた役に対して「フッ!」と鼻で笑えるような感じでありたいのだとか。それが「シェイクスピア」のような悲劇の物語であっても、どこかで笑いを求めてしまうらしい。きっと、はいりさん独特の職業病なのかもしれない。
はいりさんは、役柄でセクシーな衣装を着たりすると逆に笑いを誘ってしまったり、自らも与えられた役の中で笑いどころを探してしまったりと、とにかく常にコメディエンヌっぷりが冴え渡っているようだ。顔や容姿がファニーだから面白いというだけではなく、はいりさんはそれに自分の見つけ出した“自己満足な笑い”をプラスすることによって、作品を見ている人々に思いもよらない“輪をかけた面白さ”を味合わせてくれているのだろう。はいりさん、かっけ~! 自分のことを「“女優”ではなく“俳優”」と言い切る彼女の今後の出演作が、より一層楽しみになった。はいりさんが仕掛けた笑いどころを、私たちは果たしていくつ見つけられるのだろうか?
■テレ川ビノ子 / テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。おもしろテレビ万歳!
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