こんにちは! 白雪魔夢子です。ゴールデンウィーク、皆さんは何をして過ごしましたか?実家住まいの白雪の家には、嫁いだ妹と旦那さんが泊まりに来ました。白雪はというと、挨拶もそこそこにさっさと2階の自室に引きこもり、正月同様、布団にくるまって出会い系サイト【ハッピーメール】を眺め続けました。階下からは、リア充の妹と、イケメン旦那の楽しそうな笑い声が聞こえてくるゥゥゥゥ! ファッキュー!! 33歳独身実家住まいの姉……圧倒的、敗北感!!
『俺のこと知りたくない?』
「誰でもいいから話したい。ここから連れ出して」状態の白雪の目に留まったこのメッセージ。自分の趣味や関心ごとをファーストメールに書くのが一般的な出会い系サイトですが、I氏はただその一言をポンと白雪に投げてきました。
「……めんどくさ」白雪は一度、I氏をスルーしました。そして、他の人とメールをやりとりしながら時間を過ごしていると、またI氏からメッセージが届きました。
『見てるんだろ?』
……なになに!? どこから見てるの、この人!! I氏のそのメッセージは、その他の男性たちの存在が霞むほどのインパクトあるメッセージ、に白雪は思えました。騒ぐ、変人好きの血!! 白雪は急に好奇心を覚え、彼のプロフィールを見てみることにしたのです。
I氏は一言で言うと、ナルシストな男性でした。写真のテーマは、きっと「太陽がまぶしいぜ……」。目を細めて、手を目のあたりに置き、日差しを遮るようなポーズをとっていました……室内で。
『20代前半』『170~174㎝』『ルックス・癒し系』、プロフィールには『アヴェニューで会いましょう』と書かれています。アヴェニュー……通り? 「通りで会いましょう」って何? とりあえず会ってみましょうってこと? なになに全然わかんない!!!
しかし、白雪はこの出会い系実況を通じて学んだことがあるのです。一見、地雷だと思った人と素晴らしいセックスが出来た時の「めちゃくちゃラッキー!」という気持ちは最高だということ。I氏、やばそうな雰囲気をビンビンに感じるけど、実際会ったらいい奴かもしれないしね! 白雪はI氏に「I氏のことが知りたいです!」とメッセージを返したのでした。
渋滞にぶちあたって露呈した性格の悪さ
I氏に連絡すると、ゴールデンウィーク中は休みだと言われました。I氏は金融機関に勤めているので、暦通り休みなんですって。ということで、「今すぐ会おう!」ということになり、15時に某コンビニ前で待ち合わせをしました。
I氏は、写真通りの顔でしたが、服は個性的でした。スカートのような真っ黒なズボン(女子でいうスカーチョみたいな服)、ロングTシャツ、そしてデニムのロングカーデ。原宿あたりを歩いていたら溶け込むかもしれませんが、田舎のコンビニではかなり浮いていました。
さりげなく「おしゃれだね~、そういう服ってどこで買うの?」と聞くと「渋谷だよ」と嬉しそうな彼。渋谷にスタイリストさんが使わなくなった服を卸す中古服店があるそうで、そこでまとめて購入しているんだそうです。
この日はフリータイムで入る気満々だったので、コンビニで大量にスナック菓子や飲み物を買い込み、お会計。そして、和やかなムードで店をあとにしてホテルに向かったのです……が。渋滞~~~~~!!! この日は隣町で大きなイベントがある日だったためか、車が大渋滞にぶち当たってしまったのです。
車がなかなか進まず、白雪が「混んでるね~」と言いながらジュースをすすっていると「ドン!!!」と、それまで笑顔だったI氏が突然ハンドルを叩きました。
I氏「人混みって言葉あるじゃん? あれってさ“人ゴミ”って表記に変えたほうがいいよねマジで」
白雪はなんと答えたらいいかわからず、曖昧に笑いました。ヒイ~、何この人、ナルシストなだけじゃなくて、ほのかにDV臭が漂ってる~!!!
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